作品情報
ネオンきらめくクライム・シティ。サムはこの街の暗殺組織に属する腕利きの殺し屋。だが、あるターゲットの娘を匿ったことで組織から命を狙われるハメに。殺到する刺客たちを次々と蹴散らし、サムと娘は、かつて殺し屋だった3人の女たちが仕切る図書館に駆け込んだ。図書館秘蔵のジェーン・オースティン、ヴァージニア・ウルフの名を冠した銃火器を手に、女たちの壮烈な反撃が今始まる!
『ガンパウダー・ミルクシェイク』レビュー
今作は『女囚さそり』や『子連れ狼』など、日本の作品にインスパイアされている作品であるが、 日本作品へのリスペクトが強いというよりは、タランティーノ映画で一回ろ過されたものを、さらにろ過しているような作品というべきだろうか。言ってしまうと、最近よくありがちな作品である。
『ガーディアン・オブ・ザ・ギャラクシー』のネヴュラではない素顔のカレン・ギラン演じるサムが、ネオンの光をバックに銃撃戦を繰り広げるシーンの画的なおもしろさはある。
ポップと言われればポップではあるものの、ネオンバックバトルは、Netflix映画『ケイト』や「ジョン・ウィック」シリーズで何度か観ているし、そうでなくても、どこかで観たことのあるようなシーンの連続で、いまいちノリきれない。
しかし中盤で、最近よく見る子役、クロエ・コールマン演じる少女エミリーが登場してからの、即席「子連れ狼」のような展開は、今作で一番のハイライトともいえる部分である。言ってしまえばそこがピークだ。
エミリーが戦闘シーンから離脱後、銃撃戦や大小様々なハンマーが飛び交うバトルと斬新さを追求しているような感じを醸しだしているものの、結局のところ、またまたどこかで観たようなアクションシーンが続くだけに、全編をエミリーとのバディムービーにした方がよかったのではないかと思えてしまう。
それほどサムとエミリーのバディシーンは魅力的だったといえる。
今作は、いわゆるシスターフッドものであるが、お姉さま方の女優チョイスが渋いというか、ミシェル・ヨー姉さんは通常稼働ではあるが、カーラ・グギーノとアンジェラ・バセットという、何ともいえないメンバー構成が、どうやって決まったのかが気になって仕方ない。
娯楽作品として、何も考えずに観る分には、決して悪い作品ではないが、真面目に観てしまうと、主人公サムの自業自得感が気になってしまって、何でこんなことになっているのかがわからなくなってくる。つまりサムのポンコツさが目立つだけなのだ。
点数 77

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