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新作映画批評:『ローズ家 崖っぷちの夫婦』(10月24日公開)

作品情報

【ストーリー】

順調なキャリア、優秀な子供たち、完璧な家庭生活に彩られたカップル…幸せな夫婦に秘められた競争心と不満が、夫の事業破綻をきっかけに一気に火を噴く! ハリウッドきっての名コンビ誕生!名優ベネディクト・カンバーバッチ&オリヴィア・コールマンが、“命懸けの夫婦喧嘩”を熱演!!ジェイ・ローチ監督(『ミート・ザ・ペアレンツ』)&脚本トニー・マクナマラ(『哀れなるものたち』)と贈る、大人のための痛快コメディムービー!

【クレジット】

監督:ジェイ・ローチ『オースティン・パワーズ』『ミート・ザ・ペアレンツ』 脚本:トニー・マクナマラ『哀れなるものたち』

出演:オリヴィア・コールマンベネディクト・カンバーバッチ、アンディ・サムバーグ、ケイト・マッキノン ほか

北米公開:2025 年 8 月 29 日

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

公式サイト:https://www.searchlightpictures.jp/movies/theroses

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10 月 24 日(金)より TOHO シネマズ日本橋/新宿ピカデリーほか全国ロードショー

ウォーレン・アドラー原作によるダニー・デヴィート監督作『ローズ家の戦争』(1989)を現代視点でリメイク!!

まず初めに主演が、オリヴィア・コールマンというのは気になる。『女王陛下のお気に入り』(2018)でタッグを組んだトニー・マクナマラの後押しなのだろうが、オリヴィアが演じていることで、設定年齢がよくわからなくなってしまっているのは難点だ。

オリヴィアが悪いというわけではないが、現代の価値観を反映させるのであれば、もう少し若い女優をキャスティングした方がよかったのではないだろうか。無理に若作りをさせてしまっているような気がしてならない。

それはさて置き、マクナマラ脚本ということで、ブラックユーモアは増し増し。そこまでやらなくても……という描写が満載で、いろんな意味で容赦がない。

子育てというのは、一種のマインドコントロール。子どもの価値観が、生活共有時間の長い方に傾くのは自然の摂理なのかもしれない。夫婦の間に心の距離に誤差が生じてしまい、気づけば自身の子どもに対する向き合い方にも影響してしまう。だからといって仕事を諦めて、子育てに向き合うというのも難しい話。

夫婦のバランスは常に不安定で、気持ちのあり方など平等ではないのだ。

夫婦のバランスという視点からは、89年版と見比べて時代の変化を感じるおもしろさはあるものの、結論に逃げている部分がどうしても目立ってしまっていて、最終的に結論の出ない、人間心理の終着点のようなものを、まとめて、まとめて大爆発させてしまったような結末は、かなり力技すぎた。

総合評価:72点

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