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この映画語らせて!ズバッと評論!!『ライトハウス』イライラ変人おやじと恐怖の4週間共同生活!そんな単純な観方じゃダメなの?

この映画語らせて!ズバッと評論!!『ライトハウス』イライラ変人おやじと恐怖の4週間共同生活!そんな単純な観方じゃダメなの?

作品情報

謎めいた孤島にやって来た“2人の灯台守”が外界から遮断され、徐々に狂気と幻想に侵されていく、人間の極限状態を恐ろしくも美しい映像で描いた本作。 北米ではA24の製作・配給で公開され、わずか8スクリーンでスタートしたミニシアター系の映画としては異例の興行収入1,000万ドル以上の大ヒットを記録した。 長らく日本での公開が待たれていた本作の監督を務めるのは、長編デビュー作『ウィッチ』がサンダンス映画祭で圧倒的高評価を受け、一躍スター監督へと躍進したハリウッド異端の才能、ロバート・エガース。 物語は、1801年にイギリス・ウェールズで実際に起きた事件をベースに、神話や古典文学などのエッセンスが幾重にも織り込まれ、唯一無二の謎めいた世界に観る者を誘っていく。 少しずつ狂気の世界に足を踏み入れていく2人の灯台守を演じるのは、言わずと知れた世界の名優ウィレム・デフォーと、最新シリーズの『ザ・バットマン』主演に決定し、昨年公開されたクリストファー・ノーラン監督『TENET テネット』で、その人気が不動のものとなったロバート・パティンソン。 ほぼ全編に渡って主演の2人しか登場せず、“ 絶海の孤島”という極度の緊張感が強いられる空間の中で、彼らが繰り広げる壮絶な演技合戦はまさに圧巻の一言! その白熱の演技は各国の映画祭で大絶賛を浴び、多くの演技賞を獲得した。 より人間の感情を際立たせてみせるモノクロームの映像や、緊迫感を増大させる繊細かつダイナミックな音響デザイン、サイレント映画からトーキーへの移行期に隆盛した正方形に近い画面サイズにより“シネマティックな映像美”が実現。 そのこだわりと美しさによってアカデミー賞®撮影賞にノミネートされるなど世界的評価も獲得し、カンヌ国際映画祭監督週間でのプレミア上映では大喝采で迎え入れられた。

『ライトハウス』レビュー

私これ試写で観たのですが…というか、オンラインで3回観て、リアル試写で1回観たのに、公開日を1週間間違えていて、今の投稿になってしまいました…

細かい考察や、ベースになっている実話だったり、小説や神話といったものに関しては、映画ホームページの徹底解説を観てもらった方が詳しく解説されているということもあって、今回はもう少し簡単な視点から、評論したいと思う。

『ウィッチ』を観た人にとっては、同じ監督であるという時点で異質な作品だということは、なんとなく感じているのではないだろうか。

全編モノクロ映像で展開されるのは、ほぼ男2人の共同生活、。単純に理不尽なことばかりを言ってくる上司と2人きりで島に閉じ込められたとしたら、人間はどうだろうか…という単純なシチュエーション・スリラーの側面から観るのも全然ありではないだろうか。

1800年後半が舞台ということもあり、現代のように、暇だったらテレビを観たり、携帯をいじっていられるようなストレスのはけ口もない中で、嫌な上司と一緒に閉じ込められたら、当然と言っていいほど、頭がおかしくなってしまうのではないだろうか。

様々なオマージュだったり、そこに描き出そうとしている神話的だったり、宗教的なものを引きずり出して、何も難しい方向に持っていこうとしなくてもいいのではないだろうか?

だからこそあえて、そういった考察しまくって観たいと思うのであれば、そこらの評論家やライターが書く様な推測文ではなく、公式に発表されているものをホームページで見た方がいいと思う。

描いているのは、醜いものばかりだというのに、映っているものが、フォトブラフのようで美しいという画的なギャップを楽しむのもアリ。

現代映画であるのに、あえて同じモノクロ作品として例に出すのが適切かはわからないが、『ムカデ人間2』がなぜモノクロかというと、カラーだと観ていられないという理由だからと以前、監督であるトム・シックスが語っていた。

サイレント映画へのリスペクトだったり、結果的にフォトグラフでクラシカルなアート映画として成り立っているようでもあるが、実はそういった側面もあるのではないだろうか。

汚物を捨てようとして、自分にかかるシーンやカモメを叩きつけてぐちゃぐちゃにするシーンなど、カラーでは観ていられないシーンもあるわけだし。

同じロバート・パティンソンの作品であれば、『テネット』が同じように、あえて難しく観てしまっている人が多いし、「A24」の作品でいえば『ミッドサマー』だって、単純に「田舎は怖い!」っていうホラーとしてはベタベタな王道プロットがベースにあるわけだから、あえて難しくしているのは、観ている側だし、また制作者も知らないうちに便乗して「実はそうだった!」なんてパターンもあるから厄介な話だ。

点数 80

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