『ミナリ』『ミッドサマー』『SKIN/スキン』など話題のヒットメーカー「A24」の新作は、2015年に実際にあったツイッタースレッドを映画化した『ゾラ』
2015年当時、ウェイトレス兼ストリッパーとして働いていたA’Ziah “Zola” Kingは、たまたま客として訪れたステファニーと意気投合した勢いで、「ストリップで大金を稼げる場所があるから、一緒い行こう」と誘われる。
出会って間もないステファニーの誘いに困惑しながらも、その場所に行くことになったゾラ。しかし、それは悪夢の48時間の始まりだった…
その様子をツイッターに投稿していたことが話題となり、のちにノンフィクションライターでもあったドキュメンタリー作家デイヴィッド・カシュナーがローリングストーン誌にゾラの記事を寄稿したことで、更に話題となった。
そんなノンフィクション記事に注目した、俳優兼映画監督のジェームズ・フランコは、すぐに映画化を企画したが、白人が黒人女性の物語を上手く映画化できるのかという問題で一度はゾラの母親衝突していたものの、ゾラ本人がプロデューサーとして参加することで製作に同意した。
その後、製作・監督を務める予定であったジェームズ・フランコのセクハラが問題となり訴訟騒ぎにまで発展したことで、テレビドラマや短編作品がメインであったジャニツァ・ブラボーが監督を務めることが発表されたことで2018年頃から本格的に製作がスタートしていた作品だったが、新型コロナウイルスの影響などを受けて、企画発案から公開までに6年ほどかかってしまった
完成後のクレジットからは、ジェームズ・フランコの名は外されているが、弟のデイヴ・フランコはそのままプロデューサーのひとりとしてクレジットされている。
今作で主人公ゾラを演じたテイラー・ペイジは、幼いころから「ウエストサイド・バレエアカデミー」でダンスを習い、その後も女優や振付師としても知られるデビー・アレンが2001年にロサンゼルスに設立した 「デビー・アレン ダンスアカデミー」でも学び続けるというダンス漬けの日々を過ごしていた女優。『ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー』にもダンサーとして参加、バスケットボールの試合のハーフタイムなどにパフォーマンスをするダンサー達に焦点を当てたドラマシリーズ『Hit the Floor』でも存在感をみせている。
ゾラのダンスが得意という部分にもリンクしており、近年では『ホワイト・ボーイ・リック』や『マ・レイニーのブラックボトム』などのダンサー以外の役にも積極的に挑戦しており、脇役ながらも存在感を放つ、注目の女優テイラー・ペイジの主演作がついに2021年6月30日に全米公開となる。
その他にもゾラを悪夢の旅に誘うステファニー役として、エルヴィス・プレスリーを祖父にもち、『ハウス・ジャック・ビルト』『アンダー・ザ・シルバーレイク』などにも出演するライリー・キーオ、LGBT活動家としても知られるズ・マディソン、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』のコールマン・ドミンゴらも出演。
日本でも話題となっている「A24」の作品ということもあって、公開される可能性は高いだろう。
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