作品情報
家賃も払えず、日々の生活も困難なシングル・マザーのナイマは、息子のラングストンだけは、普通の生活ができるように、妊娠してから長年会っていなかった両親の元に仕方なく行かせることにする。ラングストンは母の心配と面識のなかった祖父母との関係、顔を知らない父のことで心を開かないでいたが、次第に回りの人々や祖父母たちと関わることによって変わっていくのだが…。監督は『ハリエット』『ケイブマン』のケイシー・レモンズ、出演は『ラストキング・オブ・スコットランド』『バンテージ・ポイント』のフォレスト・ウィテカー、『ブラックパンサー』『バンブルビー』のアンジェラ・バセット、『ドリームガールズ』『キャッツ』のジェニファー・ハドソン、「ワイルド・スピード」シリーズのタイリース・ギブソンなど
発掘!未公開映画研究所とは?
宗教性の問題、出演者の知名度、お笑いの感覚の違い…などなどの理由によって、日本では公開にいたらない作品が多く存在する。アカデミー賞にノミネートされている作品でも未公開作品は多い。
それもそうだろう、逆にアメリカやフランスで日本の映画が何でも公開されていると言えばそんなわけもなく、全体的に見て1割にも満たないだろう。
日本はそんな中でも割と海外の作品を公開している珍しい国であって、そんな中でもやっぱり公開されない映画というのは山のように存在する。
「発掘!未公開映画研究所」はそんな映画を発掘していくというもので、その中でも更に知名度が低いものを扱っていくつもりだが、必ずしも良作ばかりではない、中には内容がひど過ぎて公開できなかったものもあるのでご注意を!!
今回紹介するのは『クリスマスの贈り物』
短評
アカデミー賞ノミネート作品である『ハリエット』が日本でも公開されたということで、監督であるケイシー・レモンズが2013年に制作した映画『クリスマスの贈り物』を取り上げたわけだが、ケイシー・レモンズの作品をいくつか観て感じたことは、舞台が好きであるということと、黒人問題や神への信仰心を反映させた作風が多いということだ。
『ハリエット』でも信仰心が一種の物語の鍵となっているし、今作も信仰心という部分で成り立つ物語構造ともなっている。
クリスマスが題材といっても、物語のベースとなるのは、「家族の再生」であるため、クリスマス・ムービーとして区切る様な作品でもない。
黒人社会の中では、有名な作家であるラングストン・ヒューズの戯曲『Black Nativity』を映画化したものではあるが、原作を直球で映画化しているのではなく、劇中でその戯曲を公演するという形の少しメタ構造ともなっている。
長年、距離を置いていた家族関係再生のプロセスが歌によって、上手くまとまりすぎているという点は、ミュージカル映画ということを配慮して大目に見てもらいたい。
結局、ジェニファー・ハドソンが良いところをもっていってしまうが、歌唱力は健在で、物語の薄い部分に厚みをもたせることに成功していて、流石の貫禄である。
今作は日本ではソフト化はされていないが、Amazonプライムビデオなどの動画配信サービスでは有料コンテンツとして観ることはできる。
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