作品情報
NBCに触発されて、生放送のミュージカルライブ『グリース ライブ!』を放送した米FOXが2019年に放送したのが映画化もされた大人気ミュージカル『RENT/レント ライブ!』である。『グリース ライブ!』にも出演していたヴァネッサ・ハジェンズが今作にも引き続き出演する他、カーシー・クレモンズ、マリオ、 ジョーダン・フィッシャーといった若手スターが多数出演。カテーンコールには歴代「レント」出演者たちが駆けつける。
発掘!未公開映画研究所とは?
宗教性の問題、出演者の知名度、お笑いの感覚の違い…などなどの理由によって、日本では公開にいたらない作品が多く存在する。アカデミー賞にノミネートされている作品でも未公開作品は多い。
それもそうだろう、逆にアメリカやフランスで日本の映画が何でも公開されていると言えばそんなわけもなく、全体的に見て1割にも満たないだろう。
日本はそんな中でも割と海外の作品を公開している珍しい国であって、そんな中でもやっぱり公開されない映画というのは山のように存在する。
「発掘!未公開映画研究所」はそんな映画を発掘していくというもので、その中でも更に知名度が低いものを扱っていくつもりだが、必ずしも良作ばかりではない、中には内容がひど過ぎて公開できなかったものもあるのでご注意を!!
今回紹介するのは『RENT ライブ！』
短評
芸術家たちの苦悩を描いたプッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』をベースとして、舞台をニューヨークに移したミュージカル『RENT/レント』は1996年に初演を迎えたが、製作者であるジョナサン・ラーソンは、公演初日である1996年1月25日に35歳という若さで亡くなってしまった。
そんなジョナサン・ラーソンを称えたメッセージが映画でも舞台でも、表示されるが、今作でも冒頭で表示され、リスペクトは忘れていない。
舞台版では、ミミ役を演じた経験もあるヴァネッサ・ハジェンズが今回はモーリーンを演じるというのも実験的なキャスティングではあるが、ヴァネッサは見事に演じ切っていて、全く違和感を感じさせない。カーシー・クレモンズ演じるジョアンとのデュエットや掛け合いも見事である。
立派なセットを組み、舞台版並みに観客を大勢入れて、迫力満点の正にライブ映像は、あたかもその場所でミュージカル舞台を観ているかのような臨場感を感じさせてくれる。なんと豪華な疑似体験だろうか!
この作品、最後の最後まで見逃すことはできない。カーテンコールでは、ジェシー・L・マーティン、イディナ・メンゼル、アンソニー・ラップといった映画版にも出演していた「RENT/レント」の歴代出演者がサプライズ登場を果たし、豪華すぎるオールスターによる「シーズンズ・オブ・ラブ」の熱唱は感動しない訳はない!!
今作はまだ日本ではソフト化はされておらず、Amazonプライムビデオなどの動画配信サービスでも配信されていない。CSなどでの放送もされていないが放置しておくには勿体ない作品である。
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