作品情報
伝説のナチハンターと謎の生物ビッグフットの死闘を描いたモンスターアクション。独裁者アドルフ・ヒトラーを暗殺した伝説のナチハンター、カルヴィン。現在は愛犬とともに平穏な老後を送る彼のもとにFBI捜査官が現れ、恐ろしい病原菌を持つビッグフットの殲滅を依頼する。心の奥底に眠っていたハンティングへの渇望を呼び覚まされたカルヴィンは、銃を背負いナイフを片手に過酷な任務に身を投じる。『アリー スター誕生』『ハルク』のサム・エリオットが現在のカルヴィン、「ホビット」シリーズのエイダン・ターナーが若かりし頃のカルヴィンをそれぞれ演じる。「未体験ゾーンの映画たち2020」上映作品。
『ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男』レビュー
タイトルのバカらしさに騙されてはいけない…この映画は、かつて国のために影の存在として活躍した不器用な男の物語である。
何故、日本はこんなタイトルにしたのかと思ったが、原題が「The Man Who Killed Hitler and Then the Bigfoot」ということで、元からバカなタイトルなのだ。
ビッグフットは確かに登場するのだが、低予算の学生映画の様なクオリティは、とにかく酷い。その部分だけを観ると完全なるC級以下の映画であることは間違いない。
基本的な内容は、かつて国の影の存在、ナチハンターとしてヒトラーを暗殺した男カルヴィンが、今では、ただひとり愛した女性の思い出を胸に抱き、犬と一緒にしずかに暮らしている老人となってしまった今、彼が思うこととは…という人生の物語なのである。
不器用で距離感がつかめず、ただ一人の兄弟との間の溝も修復していく様子を描いていて、サム・エリオットの年輪を刻んだ顔と渋い演技が物語に説得力をあたえる。
ビッグフットなんて、ほとんど関係ないのだ。
ビッグフットの行は完全におまけでしかないが、カルヴィンの今後の人生の行方を描くためには必要ではあるから難しい問題である。
例えばビッグフットではなく、北朝鮮の将軍様のような人間をターゲットにした方がよかったと思うが、そこは予算の都合もあったり、オリジナルの独裁者を作り上げるにも、どの国にするかなどデリケートな問題が関わってくるためビッグフットにされたのかもしれない。
『ターボキッド』『MEGA SPIDER メガ・スパイダー』『ザ・ゴーレム』のシェイクド・ベレンソンとパトリック・エウォルドが製作に関わっているため、B級ホラー、B級アクションテイストが強調されてしまっている様にも感じられる。
今作が評価されることで、監督のロバート・D・クロサイコウスキーは、一刻も早くB級映画プロデューサーの元から離れて、仕事をしてもらいたいと願う
点数 74点
- ネットもSNSも遮断されたインドの全寮制女子高を舞台に、少女たちは”自分”とは何者なのかに葛藤する!!『女子高生は泣かない』
- 第96回アカデミー賞:映画評論家バフィー吉川の最終受賞予想!事実上『オッペンハイマー』のひとり勝ち状態か?!
- インド音楽界の歴史が動いた!22年ぶりのメジャーガールズユニット”W.i.S.H.”誕生!K-POPに次ぐ世界市場を狙う!!
- この映画語らせて!ズバッと評論!!『マダム・ウェブ』始まらないドラマのプロローグを観ているような感覚になるが、若手女優たちが唯一の救い!!
- 【ちょこっとレビュー】地域復興ムービーとして応援したい気持ちを裏切るほど中途半端な主人公像『レディ加賀』
コメントを書く