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この映画語らせて!ズバッと評論!!【第36回東京国際映画祭SP】『私たちの世界』行き止まりの故郷に見切りをつけ、未来を夢見て都会にきたはずなのに!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!【第36回東京国際映画祭SP】『私たちの世界』行き止まりの故郷に見切りをつけ、未来を夢見て都会にきたはずなのに!!

作品情報

『燃ゆる女の肖像』(19)に出演した女優、ルアナ・バイラミの監督作品。自らのルーツであるコソボを舞台にふたりの女子大学生の関係を描く。ヴェネチア映画祭オリゾンティ エクストラ部門で上映。

『私たちの世界』レビュー

夢も希望もない、結婚して子どもを育てるというたけの生活に縛ろうとする田舎のブルニクから都会の大学に進学した幼馴染で従妹同士のふたり。

ところが大学に講師がいない?!!!

コソボ内の政情や経済問題によって、極端な職員不足となっており、大学にきているのに何も学ぶことができず、自習ばかりを強いられて、田舎から出てきた意味を見失ってしまう。

周りの同級生や上級生は、大学を卒業したところで就職できないし、明るい未来など存在しないと言ってくるなど、かなりネガティブオーラを発している。

いったい何のために大学に進学したのだろうか……。

考えれば考えるほど悲しくなり、涙がながれるが、田舎に戻ることもできない。そんななかでもふたりの青春時間の経過は待ってくれず、残酷に過ぎていく。

時代背景としてはコソボ独立、紛争後を描いているのだが、若者たちの未来への不安や絶望をどう折り合いをつけるのか、それともあらがっていくのかといったものを描いた作品というのは、様々な時代背景、世界情勢などを反映させるなどして無数に作られているし、日本でもそういった作品は多い。

今作もまさしくその部類の作品であるため、これといって描き方にセンスや新しさはそれほど感じるポイントがなく、ありがちな描き方といえるだろう。

ただ、作中で使用されている音楽は良かった。

点数 78

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