ラジオ番組「バフィーの映画な話」Spotifyなどで毎週配信中!!
この映画語らせて!ズバッと評論!!『オールド・ガード』アメコミ映画の新星監督が手掛けたプロローグ作品!!

作品情報

「スーパーマン」「ワンダーウーマン」「ウルヴァリン」などのアメリカンコミックライター、グレッグ・ルッカによる同名グラフィックノベルを、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『アトミック・ブロンド』のシャーリーズ・セロン主演で実写化したアクション。兵士アンディ率いる秘密の特殊部隊「オールド・ガード」。永遠の命を持つ不死身の傭兵たちで構成されるその部隊は、何世紀にもわたり、歴史の影で暗躍し、誰にも知られることなく人類を守り続けてきた。ある日、彼女たちの特別な能力が何者かによって暴かれてしまう。ある陰謀のためにその能力の複製を企む強大な謎の組織の手段を選ばない脅威がアンディたちを襲う。アンディ役をセロンが演じるほか、キキ・レイン、マーワン・ケンザリ、ハリー・メリング、ベロニカ・グゥらが顔をそろえる。監督は『リリィ、はちみつ色の秘密』『ワン・オン・ワン ファイナル・ゲーム』のジーナ・プリンス=バイスウッド。

『オールド・ガード』レビュー

2003年にシャーリーズ・セロンによって、設立された映画製作会社デンバー・アンド・デリラ・プロダクションズは、2017年頃からNetflixと契約関係にあり、 『Girlboss ガールボス』『マインドハンター』などドラマを手掛けてきたが、今作を皮切りに長編映画にも積極的に関わることになるようで、Netflixがスポンサーとなり多額の製作費や製作サイドの意向も反映されやすい自由度を提供されることで『アトミック・ブロンド2』も実現されることになった。

今作の原作は「スポーン」や「ウォーキング・デッド」などで知られるイメージ・コミックスによる2017年から続く同名グラフィクノベルであり、コミックの歴史としてはまだ浅い作品である。

監督には、『ヴェノム』『モービウス』からなるソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクターズの新作を手掛ける予定となっていたが製作がなかなか進まないことから、今作を先に手掛けることになったジーナ・プリンス=バイスウッド であるが、本作でみせたスタイリッシュなアクションシーンや構成は、のちのアメコミ映画にて大きな役割を果たすことを期待させてくれるようなクオリティに仕上がっている。

不死の能力を持つ主人公たちの「死ねないことへの苦悩」と、その能力を利用して人間の治療薬の開発をしようとする「死ぬことへの苦悩」がぶつかる物語構成。

そこにスパイアクションやミリタリーアクション要素が含まれた作品で、上手くまとまった内容ではあるが、比較的にドラマシリーズ向きの内容であるような気がしてならない。

2017年に デンバー・アンド・デリラ・プロダクションズが手掛けた『Girlboss ガールボス』は、予定では継続予定であったが1シーズンのみで終了している。今作も元々はドラマシリーズ化される予定が、『Girlboss ガールボス』の失敗から、いきなりドラマシリーズとするよりも、実験的に1作目を長編映画として製作したのではないだろうか。

そう考えると、シャーリーズ・セロン演じるアンディからキキ・レイン演じるナイルに主人公がシフトしていくのも、あきらかにプロローグ的な内容に仕上がっていることにも納得がいく。

世間からの評価によって、続編もシリーズ化もできる状態にしておく着地点は、1本の独立した作品としては、中途半端な感じはしてならないが、シリーズ化の1作目、プロローグ的役割の作品としたら合格点である。

評判の良い作品は、圧倒的資金力を持つNetflixは『ヒットマンズ・ボディガード』『ブライト』『タイラー・レイク』のように、すぐにゴーサインを出す。今作も評判が良く、すでに続編への話し合いは進められているようだ。

点数 72点

デンバー・アンド・デリラ・プロダクションズ が手掛けた作品6選

この映画語らせて!ズバッと評論!!カテゴリの最新記事