THE映画紹介とは?
THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『死霊船 メアリー号の呪い』
作品情報
ゲイリー・オールドマンが主演を務め、呪われた船に乗り込んでしまった家族が体験する恐怖を描いたサスペンススリラー。妻や2人の娘と暮らすデヴィッドは、自分の船を持つことをずっと夢見てきた。ある日、オークションで見かけた70年前の船「メアリー号」に魅せられた彼は、妻を説得し船を購入する。しかし家族と船出してすぐに、船内で不可解な現象が次々と発生。実はメアリー号には悲しい歴史があり、怨念と悪霊が潜む“死霊船”として、乗り込む者を呪い続けてきたのだ。逃げ場のない船内で、家族を守るべく戦うデヴィッドだったが……。
『死霊船 メアリー号の呪い』基本情報
2019年製作/85分/アメリカ
原題:Mary
監督: マイケル・ゴイ
出演 : ゲイリー・オールドマン、エミリー・モーティマー、ジェニファー・エスポジートほか
短評
若手俳優の登竜門的低予算ホラーというのであれば、ある程度妥協できてしまうが、ゲイリー・オールドマンとエミリー・モーティマーという中堅俳優出演作品としては、信じられないクオリティの作品である。
脚本は『ロスト・バケーション』のアンソニー・ジャスウィンスキーに加え、1980年代からキャリアをスタートさせており、主に『アメリカン・ホラー・ストーリー』『リバーデイル』などドラマシリーズの単発エピソードを中心に撮影監督や監督を続けてきたマイケル・ゴイ。長年の間、業界にいたからこその人脈で主演の2人も出演に応じたのではないだろうか。
ストーリーは実にシンプルであって、船の仕事で独立したい男が再起をかけて購入した船が実は呪われた船だったというもの。
タイトルから解る通り、実在したと言われるメアリー・セレスト号に影響を受けているようではあるが、せめて船の名前ぐらい変えてほしかった。
デヴィッドは、資産のほとんどを船に投入してしまっているために、何だかおかしなことが起きても、簡単に手放したり、諦めることができないという経済的事情が絡んでくるのは、おもしろいとは思うが、かなりこじんまりとしてしまっていて、ドラマの1エピソードやテレビ映画であれば成り立つといったもので、後半は無理矢理感が目に余るほど。
ホラー的演出も古典的すぎて、独創性は全く感じられないため、製作の意図さえも疑問に思わされてしまう。
10年以上、映画から離れてテレビドラマ女優として活躍してきたジェニファー・エスポジートが映画復帰した作品としても残念でならない。
劇場公開されない理由がないような作品と、作品の質によって公開されなかったのであろう作品が集められた「未体験ゾーンの映画たち2020」の上映作品ではあるが、 今作の問題は…やはり質である。名優の演技をもってしても、映画自体のクオリティが一般公開ラインに挙げるのには、抵抗があったのだろう。
価格:3,218円 |
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