インドという国は、イギリスの植民地だったこともあり、音楽チャートもイギリスと直接リンクしている。それによって、アジアとイギリスが組み合わさったような、独特の音楽性がある。イギリスとリンクしているということは、イギリスがリンクしているアメリカとも自然に音楽としては繋がっているということだ。
その中でも影響を受けてきたアーティストのひとりにキング・オブ・ポップことマイケル・ジャクソンの存在がある。
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『Tees Maar Khan』では監督も務めた振付師のファラー・カーンが、もともと振付師を目指したきっかけは、80年代のディスコブームによってインドでも人気となった、マイケル・ジャクソンの「スリラー」の奇抜な振付に衝撃を受けたからだと語っている。
実際に自信が監督を務めた『ハッピー・ニュー・イヤー』では、マイケル・ジャクソンのリスペクト全開なダンスシーンが豊富に取り入れられている。
これは、ファラー・カーンに限ったことではなく、現在のボリウッドで活躍している振付師は、正に80年代のディスコブームを通ってきている世代ともあって、マイケル・ジャクソンはもちろんのこと、『サタデー・ナイト・フィーバー』や『グリース』といったジョン・トラボルタの映画にも影響されている。2000年代に入るとシャキーラやジェニファー・ロペス、最近ではBTSなどのK-POPなどの影響も感じられる(トラボルタ作品や他のアーティストの影響に関しては、また別の機会に紹介したい)
その証拠に、様々なダンスシーンでマイケル・ジャクソンを意識した振付を見ることができる。それが後世に受け継がれ続けていることもあり、インドにおけるマイケル・ジャクソンリスペクトとしいうのは、強固なものなのだ。
マイケル・ジャクソンへのリスペクトが感じられるダンスシーンを観てもらいたい。しかし、これはほんの一部である。
『若さは向こう見ず』の「Badtameez Dil」ように、「スリラー」のゾンビダンスを一部分だけ取り上げてるものもあれば、『Kill Dil』の「Nakhriley」や『バン・バン』の主題歌のように、がっつり取り込んでいるものもあったりと、様々なボリウッド映画でマイケルリスペクトを感じることができるのだ。
ボリウッドには、ミュージカル、アクション、コメディ、ロマンスなどを詰め込んだ「マサラ映画」というスタイルがある。これは一説に、ハリウッド黄金期のミュージカルから派生したともいわれている。
映画人たちの影響を受けている作品や音楽が、そのまま世代と共に新しい作品にスライドしているとするならば、他国の映画や音楽の要素を積極的に取り入れていることにも納得がいくというものだ。
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