エミー賞のバラエティ・スペシャル番組にノミネートされていたHBO Maxの特番『フレンズ: ザ・リユニオン』や『アメリカン・ユートピア』を抑えて受賞したのは、Disney+で世界同時配信された『ハミルトン』だった。
9月14日にはニューヨーク・ブロードウェイも再開となり、『ハミルトン』も1年ぶりに再演が叶ったタイミングでの受賞は、舞台自体の活性化にも繋がるだろう。
しかしながら、正直このノミネートには疑問を感じる。『ハミルトン』はもともと劇場公開映画として用意されていたもので、新型コロナの影響がなければ『イン・ザ・ハイツ』公開後に、劇場で公開されるはずのものが配信スルーとなったもの。
エミー賞というより、アカデミー賞に該当すべき作品だということだ。
受賞したのは嬉しいことではあるが、ドラマや単発のリミテッドシリーズとは違って、そういった事情の中で仕方なく配信スルーになった作品を、他のドラマのスタッフや俳優陣と並べてノミネートされること自体に疑問を感じずにはいらない。
Netflixの場合ははっきり分けているのに対して、Disney+で配信される作品は、映画作品、単発ドラマ、配信スルー関係なく、エミー賞扱いとなってしまうこともあって、今後賞を狙う映画作品は「スター」に移行される可能性も高いということだ。
まだDisney+の体制が整っていなかった頃に配信した作品ということもあったかもしれないが、今後は正当に評価される場を与えてもらいたいところだ。
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