THE映画紹介とは?
THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『グッバイ・ゴダール!』
作品情報
ジャン=リュック・ゴダールの2番目の妻で、ゴダールの監督作『中国女』の主演を務めたアンヌ・ビアゼムスキーの自伝的小説を映画化。『アーティスト』のミシェル・アザナビシウス監督がメガホンをとり、ゴダールとともに時代を駆け抜けたアンヌの知られざる日々をコミカルに描く。パリの大学で哲学を学ぶアンヌは、もうすぐ19歳。ある日彼女は、映画を変えたと世界中から注目される天才監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ち、彼の新作映画で主演を飾ることに。新しい仲間たちとの映画づくりやゴダールからのプロポーズなど、生まれて初めての経験ばかりの刺激的な毎日の中で、様々なことを夢中で吸収していくアンヌ。一方、パリの街ではデモ活動が日ごとに激しさを増し、ゴダールも次第に革命に傾倒していく。『ニンフォマニアック』『アマンダと僕』のステイシー・マーティンがアンヌ、『サンローラン』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』のルイ・ガレルがゴダールを演じる。
『グッバイ・ゴダール!』基本情報
2017年製作/108分/R15+/フランス
原題:Le Redoutable
監督:『アーティスト』のミシェル・アザナビシウス
出演:ステイシー・マーティン、ベレニス・ベジョ、ルイ・ガレルほか
『グッバイ・ゴダール!』短評
フランスの巨匠、ジャン=リュック・ゴダールの妻であった、アンヌ・ヴィアゼルスキーの自伝的小説『それからの彼女』を映画化した作品ということから、映画の視点はゴダールからではなく、アンヌ目線で描かれている。
映画の世界とは無縁であった、哲学科の学生が、どのようにしてゴダールと出会い、映画女優としてデビューするに至ったか...一見、シンデレラ・ムービーのようにも思えるストーリーだが、ゴダールというクセもの的存在が相手では、そう上手くはいかないというシニカルな要素もある。
注目すべき点はあくまで「自伝」ではなく、「自伝的小説」の映画化ということ。ゴダールのシニカルな部分も、五月革命という歴史的な背景もアンヌの視点、そしてあくまで小説という観点から描かれているからこそ、暗い雰囲気になり過ぎず、絶妙なバランスでフレンチ・コメディに仕上がっているのだ。
ゴダールのファンにとっては、ゴダールの知られざる一面や裏話として楽しむのも良いのではないだろうか。またゴダールを全く知らない人にとっても、アンヌの女優としての成長と葛藤を描いた物語として楽しむこともできるという二層仕立てムービーとなっている。
今回、ゴダールの2番目の妻であるアンヌ・ヴィアゼルスキーを演じたステイシー・マーティンだが、映画の舞台である60年代のフレンチカルチャーを取り入れ、ファッショナブルに映画を彩らせているのは、ステイシーの存在があってこそだと痛感する。
2017年の10月に惜しくも亡くなってしまった、アンヌ本人がこの映画を観て気に入ったのも、ステイシーがアンヌを演じたからではないだろうか。
アンヌ視点ではありながら、どうしても気を引くのはゴダール役であるルイ・ガデルの存在だ。ゴダールが乗り移ったかのようなルイの演技にはスタッフ一同、あまりにも似すぎていて、衝撃を受けたとか。
「ゴダールの映画はすべて観ている」と言ったルイの演技は必見!!
価格:1,100円 |
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