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この映画語らせて!ズバッと評論!!『アオラレ』シンプルながら世間にあふれる恐怖を描く…

この映画語らせて!ズバッと評論!!『アオラレ』シンプルながら世間にあふれる恐怖を描く…

作品情報

『グラディエーター』のオスカー俳優ラッセル・クロウが、あおり運転の常習犯を演じたスリラー。寝坊してあわてて息子を学校へ送りながら職場へと向かう美容師のレイチェル。車を運転する彼女は信号待ちで止まるが、信号が青になっても前の車は一向に発進しようとしない。クラクションを鳴らしても動じないため、レイチェルは車を追い越すが、つけてきた男から「運転マナーがなっていない」と注意されてしまう。謝罪を求める男を拒絶し、息子を無事に学校に送り届けたレイチェルだったが、ガソリンスタンドの売店でさっきの男に尾けられていることに気づく。レイチェルは店員から男があおり運転の常習犯であることを警告され……。素性不明の恐怖のあおり運転常習犯をクロウが怪演。被害者となるレイチェルを、『移動都市 モータル・エンジン』『否定と肯定』などに出演したカレン・ピストリアスが演じた。監督は『幸せがおカネで買えるワケ』のデリック・ボルテ。

『アオラレ』レビュー

『ロードキラー』『激突!』などといった不条理に追いかけられる作品や『マッドボンバー』『フォーリング・ダウン』などのように社会や日常への怒りが具体化されていく作品の中間的に位置するようなテイストというべきだろうか。

社会に不満をもっている人、ギャンブルに負けてイライラしている人、人間関係がぎくしゃくしている人…など何かとストレス社会において、誰もが何かしらの怒りを抱いている中、クラクションを鳴らされてトリガーされてしまう人もいるのではないだろうか。

キャラクター造形としては誇張されているし、ツッコミ所満載のかなり直球なストーリーでありながら、実は日常にあふれているもめ事や事件というものは、こういったシンプルなことによるものだと痛感する。

かつては暴力騒動が絶えなかったラッセル・クロウがこのキャラクターを演じるというのも、何とも考え深い部分があるのだが、本人もよく引き受けたものだ。

今作で浮き彫りにされる恐怖というのは、日本でも2020年6月に妨害運転罪が定められたというのに、あとを絶たないあおり運転の恐怖と同時に、周りもとばっちりをうけるいうことだ。

今作には、警察やガソリンスタンドの客を含め、助けようとしてくれていた人が、ことごとく酷い目にあってしまう。一方、ダイナーの客は目の前で人が殴られていて、血だらけになっているのに誰も止めようとしないでスマホで撮影している始末だが、結果的に関与しない人は助かっている。

そもそものクラクションを鳴らした行為も含め、人との関わり自体がトラブルの元であり、人との関わりが薄れた現代人の方が実はトラブルが少ないということを一周回って皮肉っているようでもあるのだ。

この監督、世の中の観方が少し屈折しているのか、ステルス・マーケティングを皮肉った前作『幸せがおカネで買えるワケ』にも通じる部分があったようにも思える。

最終的なオチがカーアクションではないのが難点…

点数 77

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