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この映画語らせて!ズバッと評論!!『トロールズ ミュージック・パワー』テクノやK-POPまで取込んだ独特の世界観で世界平和へのメッセージ!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『トロールズ ミュージック・パワー』テクノやK-POPまで取込んだ独特の世界観で世界平和へのメッセージ!!

作品情報

『ボス・ベイビー』『ヒックとドラゴン』のドリームワークス・アニメーションによるミュージカルアドベンチャーアニメ『トロールズ』のシリーズ第2弾。歌と踊りとハグが大好きな妖精トロールズが暮らすポップ村で、元気いっぱいなみんなの女王として日々を過ごすポピー。実はトロールズの村はかつて王国として繁栄していたが、音楽のジャンルごとに6つに分裂した過去があった。自分たちとは違うジャンルの歌や踊るをするトロールズがいることに興味を抱いたポピーだったが、ロック村の女王バーブが、ほかの村を乗っ取ろうとしていることを知る。ポピーは世界を守るために仲間とともに旅に出るが……。監督は前作『トロールズ』で共同監督を務めたウォルト・ドーン。ポピー役は『ピッチ・パーフェクト』『ラスト5イヤーズ』などで歌声を披露してきたアナ・ケンドリック。ブランチ役を務めるジャスティン・ティンバーレイクが、音楽プロデューサーも担当している。

『トロールズ ミュージック・パワー』レビュー

『ミニオンズ』のイルミネーションやディズニー、ピクサーといったCGアニメがしっかりと日本の市場でも定着した中で不安定になりがちなのがドリームワークスの作品である。

中国資本によって製作された『スノーベイビー』も劇場公開を見送られた。ドリームワークスの作品は、『シュレック』の頃からパロディや風刺ネタを含むことがあったりするため、一部の作品は日本ではあまり評価されにくい傾向にあることにも原因は感じられる。

『シュレック』の頃はまだCGアニメーションが市場を占める割合がまだまだ少なかったのがピクサーに続き、ディズニー自体も『チキンリトル』から自社のCG作品に着手し、更に『ミニオンズ』などのイルミーションや『オープン・シーズン』『ハッピー・フィート』など他社のCG作品も乱立する中で何を公開して何を未公開にするかという選別が難しいのだ。

『トロールズ』のセールスポイントは、アナ・ケンドリックやジャスティン・ティンバーレイク、大物アーティストの参加するミュージカルシーンと可愛らしい世界観ではあるが、吹替えにしてしまうと大物アーティストによるゲスト出演という部分が死んでしまい、字幕にしてしまうと可愛らしい世界観を求めるファミリー層を取り入れ辛いという点がネックとなり、未公開となったのだが、同様の問題を抱えていた2016年のイルミネーション映画『SING/シング』が成功したことで今回は劇場公開に踏み切ったものと推測する。

前作では、トロールズの物語の中に音楽が組み込まれていたが、今作ではその音楽自体がテーマとなっており、トロールの国自体が音楽ジャンルで分けられた村が繋がって、できていることが明らかになるというもの。

そのため、今までポップな曲寄りであった選曲がロック、クラシック、テクノ、ファンク、K-POPまで取込むことで幅広いジャンルの音楽シーンを楽しむことができるのだ。

更に『アメリカン・アイドル』の初代優勝者であり、近年はオーディション番組の審査員やトークショーのホストまで務めるケリー・クラークソンや『イン・ザ・ハイツ』『ハミルトン』などでも知られるアンソニー・ラモス、K-POPグループの「Red Velvet」、オジー・オズボーンなどの豪華なアーティスト達が声を吹込むことでハイクオリティな音楽シーンを作りだすことに成功しているのだ。

その中で音楽ジャンル=人種というメタファーともなっていて、最終的に価値観の違う地域に住む者や異なる人種間で互いを理解し、分かち合うことができるのかという社会派なメッセージ性や一部メタ視点を含みながらも、単純に王道なファンタジーアニメーションとしても楽しめたり、細部にまで拘った可愛らしい世界観やデザイン性に心和まされる部分も多くみることができる作品に仕上がっていて、前作も良かったが、今作は特にバランスが良い。

ただ…気になるのが、ハグが好きなはずだったのだが、その設定はなくなってしまっているような気がする。新型コロナウイルスの影響で接触は控えるべきとカットしたのか?

点数 80点

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