作品情報
松尾由美の同名人気恋愛小説を高橋一生、川口春奈の主演で映画化。あるマンションに引っ越してきた志織は、新しい部屋で「こちらは1年後の未来です。あなたに危険が迫っています!」という不思議な声を耳にする。その声は強盗殺人に遭うところだった志織を助けるため、未来から届いた誰かの声だった。志織からこの不思議な出来事の相談を受けた小説家志望の隣人・平野は、志織が本来遭うはずだった強盗から助かったことにより、タイムパラドックスが生じてしまうことに気がつく。それは過去の出来事を変えたことで、1年後に志織の存在が消えてしまうことを意味していた。平野役を『キル・ビル』『億男』の高橋一生、志織役を『一週間フレンズ。』『幕末高校生』の川口春奈が演じるほか、『ロマンスドール』『雪の華』の浜野謙太、『トマトのしずく』『太陽』の中村優子、『センセイ君主』『人魚の眠る家』の川栄李奈、『ハッピーアイランド』『ナラタージュ』の古舘佑太郎、『シネマの天使』『サバイバルファミリー』のミッキー・カーチスらが出演。監督は『グッモーエビアン!』『わたしに××しなさい!』の山本透。
『九月の恋と出会うまで』レビュー
川口春奈のファッションショーとしては100点
川口春奈のファッションショー、不器用な男の恋愛模様として観るにはいい作品だが、SF要素を取り込んだ内容としては、全体的に設定にあやふやな部分が多く、勢いだけで突き進んだ感じがして、SF要素は完全におまけでしかない。
突然、エアコンの穴から聞こえてきた謎の「声」によって隣に住む平野を尾行することになり、尾行していたことで強盗殺人犯に鉢合わせすることがなくなったことから、歴史が修正され は生きている未来となったことで、時間の流れに不具合がないようにしなければならい。タイムリミットは1年後、エアコンの穴の声の主を探して同じことをしてもらわないといけないってことになり…その展開はわかるのだけど。
SF要素の説得力が弱い!!
そもそも何故、エアコンの穴が過去とつながっているのだろうか?
志緒が殺された過去を生きていた平野は、どうやってエアコンの穴が過去とつながることに気づいたのだろうか。
更に未来、タイムトラベルが可能となった未来の人物が「そのエアコンの穴が一時的に過去とつながるよ」ってことを教えてくれなければ、気づくはずもない。
また、ある一定期間だけ毎日9時につながるということも知っていないと、過去につながるということ自体があり得ないことなのに、次の日も同じ様につながるとは普通の人なら思わない。ということはエアコンの「声」の未来も回避できていた未来なのだろう。
こんなにざっくりした説明では納得できない
この伏線をどう回収するのかと、期待させておいて…ざっくりとしたなんとなく感満載の説明にやられた!!
とんでも論でもいいから、過去とつながる根拠を説明してほしかった。消化不良でしかない。
タイトルが『九月の恋と出会うまで』だから、殺人を止めることよりも、それを通じて2人が恋人になる過程方がメインになっているのはいいのだけれども、SF要素をもう少説得力のある作り込みをしてくれていたら、もっといい作品になっていたかもしれいというのが勿体ない。
最近、大まかなプロットを優先して細かい設定をあやふやにした、なんとなく設定でごり押し映画が多いが、その典型的パターンの映画だろう。
点数 55点
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