2月に公開されたマラヤーラム語のモリウッド映画『Oh My Darling』の主題歌「Darling Song」がK-POPっぽいと話題になっている。実際に歌詞にも「サランヘヨ」と韓国語が入っている。
それもそのはず、この作品は韓国好き女子が主人公のラブストーリーなのだ。
主演で子役出身のアニカ・スレンドラン(『俺だって極道さ』『永遠の絆』)がK-POPっぽいダンスを披露するミュージック・ビデオも公開された。
K-POPっぽいのは実はそれだけではなく、歌っているのは、ロケットガールズやTWICEといったK-POPアーティストの楽曲を手掛けてきて、日本でも倖田來未の「I’m Lovin’」も手掛けたシンガーソングライターのリンダ・クエロとK-POP最前線にいるド本物。
しかしリンダは曲を作るのがメインで歌うこと自体はかなり珍しく、インド映画の主題歌でK-POPのシンガーソングライターが歌手として参加しているという何だか何周も回ってよくわからない状態になっている。
インドでも世界的にK-POP人気になった波をもちろん受けていて、韓国文化や韓国エンタメに憧れを抱く若い世代が実際に出てきており、それが作品に直接的に反映されているということだ。
音楽の側面でも、数年前からK-POPを意識したようなミュージック・ビデオが増えてきている。
かつてボリウッドのダンスシーンや歌唱シーンにヒップホップを取り入れようとしたところ、インド国内に女性ラッパーが不在であったことから、アメリカで活躍していたラジャ・クマリを逆輸入で連れてきて、プレイバックシンガーやラップライターとして起用していたこともある。
インドが新しいものを本格的に取り入れようとすると、本物を連れてくる傾向にあるため、これはK-POPも本格的に取り込もうとした動きではないだろうか。
それは音楽性というよりも、ユニットダンスを意識しているようにも感じられる。インドでは男女のデュエットは多いが、ガールズユニットはあまり存在しておらず、かつてアヌシュカ・マンチャンダがメンバーであった「Viva!」などもあったが、近年はあまり見ない。
インドがついにガールズユニットに目を付けたとしたら、インド音楽の歴史は少し動くかもしれない!!
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