作品情報
女子高生が自ら命を絶った。その真相は不明。事件は、なぜ起きたのか?普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。愛せない母と、愛されたい娘。同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、ふたりの話は次第に食い違っていく…母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」—2つの告白で事件は180度逆転し、やがて衝撃の結末へ。母性に狂わされたのは母か?娘か?・・・この物語は、すべてを目撃する観客=【あなたの証言】で完成する。
『母性』レビュー

人間や動物には「母性本能」というのが備わっているが、そもそも母になるということは、どういうことだろうか。
自分にも親がいるわけで、子どもを身ごもったからといって、娘から母にスイッチ的に切り替えることなどできるのだろうか。気持ちの切り替えが上手くいかない場合だってあるはず。
子と親の目線を交互に描くことで、見え方、感じ方の違いを描きながら、人間にそなわる「母性」とは一体何なのかを改めて考えさせられると同時に、人間性の構築において、教育と価値観の重要性も秘めた重圧な作品だ。
『そして、バトンは渡された』(2021)や『マイ・ブロークン・マリコ』(2022)など、不器用な母を理解しようとしながらも、純粋な愛を欲している自分もいるという複雑な心境を見事に演じた永野芽郁の演技力もさる事ながら、今作はそれよりも戸田恵梨香の演技が極致に達している。
顔がどんどん痩つれていく中に、愛したいのに愛せない……そんな狂気と悲しみが共存していて、怖いというよりも切ない。
戸田恵梨香ってこんな顔だった??!!と誰もが思ってしまうレベルだ。
どうしてこうなってしまったのか、何が間違っていたのか。戻れない日々、変われない今が呪縛のように付きまとい母と娘を互いに苦しめる。
ミステリーのようにーコーティングされているものの、今作が描いているのは「母性」という言葉への探求である。
点数 83

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