
作品情報
世界で最も愛されている歌手、ウタ。 素性を隠したまま発信するその歌声は”別次元”と評されていた。 そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。 色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、 そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみにきたルフィ率いる麦わらの一味、 ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、 今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。 物語は、彼女が”シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出すー。 「世界を歌で幸せにしたい」とただ願い、ステージに立つウタ。 ウタの過去を知る謎の人物・ゴードン、そして垣間見えるシャンクスの影。 音楽の島・エレジアで再会したルフィとウタの出会いは12年前のフーシャ村へと遡る。
『ONE PIECE FILM RED』レビュー

ワンピースの映画の最高潮にして、これ以上どうしようもできないと思った『劇場版ONE PIECE STAMPEDE』を経ての新作ということもあって、ハードルが上がりまくっている中で、よくがんばって製作した作品だということは言える。
時系列的には、「ワノ国編」の直後という設定だが、ビッグマム海賊団からサプライズキャラクターが多数登場する部分は「ホールケーキアイランド編」との繋がりが色濃く出ている。細かいことを言いだしたらテレビシリーズや漫画とつじつまが合わない部分は多いものの、それは劇場版ではよくある話だから、あまり言わないようにしよう。
劇場版の売りが、テレビシリーズでは観られない夢の共演ということで、今回はビッグマム海賊団と赤髪海賊団に焦点が当たり、トラファルガー・ローとバルトロメオは当たり前のように登場する。
今回一番驚いたのは内容だ。今回の場合だと、音楽とテンションで押し切るようなバトルだらけの、いかにもジャンプ系映画かと思っていた。実際そうではあるし、後半なんて何が起きてるのかわからなくなるハイテンション展開で力業感はあるものの、ウタの目的がちょっと怖すぎる。
というか、人民寺院のようなカルトに足を突っ込んでいるのだ。
現実世界は貧困や闇に覆われていて、海賊たちもいるし、楽しいことなんてないから、みんな夢の中で幸せになればいいじゃない!!という思想がまさにカルトであり、結果的夢から覚めなくなってしまった人間の末路は”死”である。
幸せのまま死んで、現実世界とお別れすることこそが理想だと信じているのだ。これは危険な思想でしかない……。
その思想がどうやってウタに根付いてしまったのかという原因において、少しはフォローされるものの、なかなか危ういものを見せられたという気になってしまう。
そこに被さるかのように、ハイテンションなバトルシーンが連続することで、結果的には解決したような気にはなるが、ルフィたちがロマンや冒険を求めて海賊をしている一方で、海賊の存在に絶望したり、あの世界の中で生きることに苦しむ層が一定以上いるということを、テレビシリーズでは、ちょこちょこは描かれていたが、ここまで具体的に見せられるのは複雑なところだ。
点数 78














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