この映画語らせて!ズバッと評論!!『見えない目撃者』

この映画語らせて!ズバッと評論!!『見えない目撃者』

作品情報

闇の中から迫り来る、猟奇殺人犯の凶器と狂気。しかし犯人を追い、追われる主人公も視力がないことで闇の中にいる――。目の見えない元警察官が視覚以外の感覚を手掛かりに、女子高生連続殺人事件を追う『見えない目撃者』。この作品は、聴覚のほか触覚や嗅覚も駆使した五感に訴える本格スリラーとなっている。
主演を務めるのは、人気実力派女優の吉岡里帆。主演2作目でスリラー映画初挑戦となる彼女が、渾身の役づくりと演技で難役に挑んでいる。また、なつめに力を貸すもうひとりの目撃者・彼女の目となるもうひとりの目撃者の国崎春馬には、話題作への出演が相次ぐ若手演技派俳優の高杉真宙。さらに、大倉孝二、浅香航大、國村隼、松田美由紀、田口トモロヲといった実力派キャストたちがなつめたちと物語に深く関わり、本作に説得力を与えている。
見えないことのハンディキャップとアドバンテージが得も言われぬ恐怖と興奮を生む本作の原作は、韓国映画『ブラインド(原題:BLIND)』(11)。同作を脚本・藤井清美と監督・森淳一が原作の魅力を生かしながら、日本ならではの文化性と時代性を加えて脚色。『重力ピエロ』(09)など人間の内面をえぐるサスペンスの名手でもある監督が、社会的に“見えない”人々の闇や孤独にも触れ、残酷描写も徹底して描き、表現の限界に挑んでいる。
主人公にシンクロしながら、聞いて、嗅いで、触れて味わう臨場感と緊迫感。一方で、彼女が体験する恐怖と衝撃の結末を、観客は体感しながら“目撃”することになる。『セブン』(95)にも通じるサイコサスペンスで、ミステリーやホラー、そして人間ドラマの要素も網羅しながら、何より感覚と精神に訴えかけてくるスリラーとなった『見えない目撃者』。その目で見ずにして語り切れない、新しい傑作映画がお目見えする。

『見えない目撃者』レビュー(注意:ネタバレあり)

日本のオリジナル要素てんこ盛りのマシマシリメイク

韓国映画『ブラインド』を中国でリメイクした『見えない目撃者』に続き、日本でもリメイクした今作。

ストーリーベースはリメイクと言えるが、日本ならではの要素をふんだんに詰め込んでおり、リメイクというよりはオマージュに近い作品に仕上がっている。

韓国版も中国版も共通していることは、犯人が前半でわかってしまうことと、残酷描写は控えめだということだが、日本版は残酷描写を多く含み、なおかつ犯人が後半まで分からないというホラー要素が際立っている。

日本における女子高生に蔓延る闇や六根清浄という日本独特の設定を取り入れることでオリジナルよりも中国リメイクより狂気性は120%に増していて、正真正銘の猟奇殺人鬼となっている。

吉岡里穂の視覚障害者の演技から伝わる緊迫感や韓国版にもあるスマホを使った犯人から逃げるシーンの演出は見事。

警察サイドのストーリーはオリジナルより濃厚なのに最後の扱いは酷い

その他で大きく違う点は、日本版では刑事の活躍も多く描かれており、刑事のキャラクターは二人に分けられている点だが、これはいい点でもあり、悪い点でもある。

刑事の木村を田口トモロヲ、同僚の吉野を大倉孝二が演じていて、木村は長年勤務はしてるが自分の居場所が警察ではないと感じ、引退後は料理屋でもやろうとしている年配の味のあるキャラクターを作り出すことに成功している田口トモロヲだが、最後の処理の仕方はこのキャラクターを踏みにじっている。

ネタバレになってしまうがこの刑事は後半で殺されてしまうし、吉野も殺されてしまう。

事件解決に間違いなく貢献した2人の刑事に仲間の警察官達が敬礼をするぐらいのシーンは入れてもよかったと思う。警察サイドの描き方は韓国版よりも中国版よりも重圧に描いているのだから、最後の最後に殉職したのに何も触れずに事件が処理されてしまうのは悲しすぎる。

ちなみに韓国版では刑事は殺されるが中国版では殺されず、犬は日本版のみが生きていた設定になっている。

もう少し!って部分が多くて残念

中国版はアイドルを起用していることもあって、歌うシーンがあるなど少しアイドル映画的に仕上がっている。ジャニーズをキャスティングして中国版の様にアイドル映画館を出したとしたら、この映画は失敗していたに違いないだけに、それはしなくて本当によかった。

犯人の設定も犯人は警察官ということで、どうせなら主人公なつめの同期という設定にした方がよかったのではないだろうか。実は2人は同じ警察学校で学んだ同期だったはずなのに…道が真逆に分かれてしまったという設定なら、よりシニカルな作品にもできたのだと思う。

いろんな部分で「もう少し!」ってスパイスが足りてない感が勿体ない。

点数 75点

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