作品情報
格闘術のスキルが高いCIAのメイス(ジェシカ・チャステイン)、過去にトラウマを抱えるBND/ドイツ連邦情報局のマリー(ダイアン・クルーガー)、最先端のコンピューター・スペシャリストでMI6のハディージャ(ルピタ・ニョンゴ)、コロンビアの諜報組織に所属の優秀な心理学者グラシー(ペネロペ・クルス)、中国政府で働くリン・ミーシェン(ファン・ビンビン)。秘密兵器を求め各国から5人の女性エージェントが集結、ライバル同士からチームとなりコードネーム「355」を結成。それぞれの才能を駆使して、世界をカオスに陥れるテクノロジーデバイスを利用しようとする国際テロ組織に立ち向かっていく。果たして第三次世界大戦を阻止することはできるのかー
先取り版とは?
私、映画評論家バフィーがマスコミ試写で、いち早く観て評論する先取り版です。通常回では、公開日もしくは前後に更新していますが、毎週10本以上の新作を観ていて、量が多く大渋滞状態ということもあって、先取りもしていきます。
ダメな作品はダメと言いますが、基本的にネタバレを垂れ流して、映画自体を観なくてもいいような評論はしません。
『355』レビュー

以前からジェシカ・チャステインが女性スパイアクションを製作したいという意識が強く、多方面にアプローチをかけていて、『AVA/エヴァ』という作品ができたわけだが、実は今作も元を辿ればジェシカの「やりたい意識」が生んだ作品といえるだろう。
女性目線のスパイアクションなんて2000年代から量産されているだけに、今更感もあるし、J・J・エイブラムスの『エイリアス』を観ていないのか!!と言いたくなる。
さらに先に言っておくが、サイモン・キンバーグという男が製作に関わった作品を信用することができない……「X-MEN」シリーズの中で、調子が悪い作品には、彼が全て脚本に関わっているからだ。
『X-MEN ダーク・フェニックス』は、FOXがディズニーに買収された影響もあって、ある程度の妥協はあったものの、物語構築力の低さを改めて痛感するばかりの作品であった。
今回は補助として、もうひとり脚本家が入っているが、テレサ・レベックは何を隠そう『キャットウーマン』の脚本家!!
娯楽映画の道を辿ってきただけのことはあって、画作りや演出力は、それなりにあるものの、やはりストーリーが…….追いついてこない。
シスターフッドものとしては、今さら何も新しくもない設定ではある。 キャストの素晴らしさもあって、ビジュアルセンスがあふれていることは認めるし、それぞれが別の機関に属していて、共通の敵に立ち向かうというあらすじだけ聞くと魅力的に思える
ところがその設定を活かしきれておらず、CIAやMI6あたりの知識はあるにしても、おそらく中国政府やコロンビアの諜報組織の設定がざっくりしていて、仲間が増えていくに従って、リアリティもどんどん薄まっていってしまう。
ベネロペ・クルス演じるグラシーも、ひとりだけ戦闘タイプではない素人感を出しているが、最後に大きな役割を果たすのは、この手のキャラクターだという教科書のような展開をちゃんとやっていて、その設定や展開は『チャーリーズ・エンジェル』でナオミ・スコットがすでにやっている。
娯楽アクションというのに、アクションシーンで印象に残るようなシーンがほとんどなく、このレベルであれば、テレビドラマでもできてしまう。
パーティなどに潜入した際にドレスで仕方なく戦闘にいたるのは理解できるが、冒頭のミッションで、ジェシカ・チャステインが襲われる危険性があるというのに、わざわざ動きにくいワンピースを着ているのが理解できなかった。
これが単発映画ではなくて、ドラマ版へのプロローグというのであれば、続きの展開によっては観たくなるかもしれないが、余韻という余韻も、なかなか中途半端であった。
試写で観た際に、ベタベタなコメディシーンでやたら笑っている人がいて、つられて周りで数人笑っているもいたが、声を出して笑うほど何がおもしろかったのか全く理解できない。コメディという概念が著しく退化した別世界のようだった……
点数 70
2022年2月4日(金)、TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

映画『355(スリー・ファイブ・ファイブ)』
出演:ジェシカ・チャステイン、ペネロペ・クルス、ファン・ビンビン、ダイアン・クルーガー、ルピタ・ニョンゴ、エドガー・ラミレス、セバスチャン・スタン
監督:サイモン・キンバーグ
脚本:テレサ・レベック、サイモン・キンバーグ
製作:ケリー・カーマイケル、ジェシカ・チャステイン、サイモン・キンバーグ
製作総指揮:リチャード・ヒューイット、エスモンド・レン、ワン・ルイ・ファン
音楽:トム・ホーケンバーグ



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