作品情報
ヤツは【一番近く】にいる。 恐怖が熱狂に変わる――ジャンルを超越した【恐怖の最終進化形】 誰もが子供の頃に体験する潜在的かつ日常的な“恐怖”を増幅させながら、ホラーの定石をことごとく覆すことで、全世界を震え上がらせてきたホラー界の異才<ジェームズ・ワン監督>。予想できない驚きと未知の恐怖が記憶に残り続ける数々の傑作ホラーを生み出してきた。 『ソウ』『死霊館』異才ジェームズ・ワンが仕掛ける新次元の恐怖 ホラー映画で培った抜群のカメラワークと圧倒的なスピードと迫力で、『ワイルド・スピード SKY MISSION』ではシリーズ史上最高興行収入を記録、『アクアマン』では世界中で大ヒットを記録と、今や映画界の大ヒットメーカーになったジェームズ・ワン監督が自ら書き下ろした完全オリジナルストーリーの『マリグナント 狂暴な悪夢』で、この秋、新次元の恐怖へと誘う!
先取り版とは?
私、映画評論家バフィーがマスコミ試写で、いち早く観て評論する先取り版です。通常回では、公開日もしくは前後に更新していますが、毎週10本以上の新作を観ていて、量が多く大渋滞状態ということもあって、先取りもしていきます。
ダメな作品はダメと言いますが、基本的にネタバレを垂れ流して、映画自体を観なくてもいいような評論はしません。
『マリグナント 狂暴な悪夢』レビュー
今作を観て、ある都市伝説を思い出した。ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』にも登場したことのある人物だが、それを言ってしまうと今作のネタバレ部分を連想させてしまうだけに言うことができない…….。
とにかくネタバレ厳禁という警告文が配られることも多くなってきているが、今作をネタバレなしで説明するのが非常に難しい。
骨のボキボキ音が響く不愉快MAXな音響の中で前半は毎度のことながら超常現象や霊的なものかと思っていると、全く違う方向に向かっていくため、良くも悪くも予想を裏切るような作品だとはいえるだろう。
「ソウ」「死霊館」「インシディアス」シリーズ、最近では『アクアマン』など様々なジャンルに挑戦するジェームズ・ワンの原点回帰とされた作品であるのだが、その根拠というのが、ジェームズが映画化を目指すきっかけ、ホラー映画脳を構築する際に強く影響を受けた80~90年代にかけてのレンタルショップのホラーコーナーにあったような作品を意識して作られたということだ。
これも具体的な作品名を例に出すことができず、もどかしい状況ではあるが、ホラー映画における殺人鬼やクリーチャー造形の元をたどると、障害者や奇形児にたどり着くということだけは言っておこう。
『クライモリ』『キャンディマン』『アンテベラム』『ハロウィンKILLS』といった10~11月にかけて公開されるホラーのほとんどが、フィクションより現実の方がホラーだという、社会問題をこぞって扱っていることから感じることがある。
それはストレートなホラー・アプローチをすることで障害者を連想させるようなことに対して目を光らせているコンプライアンス警察の波によって邪魔されていることで、社会問題を扱うしかなくなってきている状況に追いやられている風潮なのではないかとも思ってしまう。それはそれで悲しいようにも思える。
その一方で、先日公開された『死霊館 悪魔のせいなら、無罪』を観ても、相変わらずおバカな(良い意味で)ホラー道を突き進んでくれるジェームズ・ワン組の方々の作品は、妙な安心感を与えてくれていて、今作はその絶頂的な作品ともいえるだろう。
トップメーカーのジェームズ・ワンがこれを制作したというのは、ある意味、後世のホラークリエイターたちに可能性の幅を広めてくれたことは間違いないが、こういった作品が多くなるのも、それはそれで問題だ。
マディー・ハッソン演じる義理の妹がシドニーが姉を助けようと奮闘する姿は心が温まるだけに、遠目に観れば家族愛がテーマにあるようにも感じられる。
監督:ジェームズ・ワン
脚本:アケラ・クーパー
原案:ジェームズ・ワン、イングリット・ビス&アケラ・クーパー
製作:ジェームズ・ワン、マイケル・クリアー
製作総指揮:エリック・マクレオド、ジャドソン・スコット、イングリット・ビス、ピーター・ルオ、チェン・ヤン、マンディ・ユウ、レイ・ハン
キャスト:アナベル・ウォーリス、マディー・ハッソン、ジョージ・ヤング、マイコール・ブリアナ・ホワイト
2021年/アメリカ映画/原題:MALIGNANT © 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
2021年11月12日全国公開
点数 80
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