作品情報
突然閉じ込められた男女6人。
エンジニアの後藤裕一(菅田将暉)、団体職員の甲斐麻子(杏)、
フリーターの越智真司(岡田将生)、中学生の宇野千陽(田代輝)、
整備士の井手寛(斎藤工)、会社役員の安東和正(吉田鋼太郎)。
年齢も性別も職業も、彼らには何の接点もつながりもない。理由もわからないまま、脱出を試みる彼らを、熱感知式レーザー、ワイヤースライサーや火炎噴射など、殺人的なトラップが次々と襲う。仕掛けられた暗号を解明しなくては、そこから抜け出すことは絶対にできない。体力と精神力の限界、極度の緊張と不安、そして徐々に表れていく人間の本性…恐怖と不信感の中、終わりが見えない道のりを、それでも「生きる」ためにひたすら進んでいく。果たして彼らは無事に脱出することができるのか?!
『CUBE 一度入ったら、最後』レビュー
何故、今『CUBE』をリメイクする必要があるのか?誰もが困惑する中で制作された日本製。
近年のアメリカホラーにおける現代的再解釈を含んだ「再構築」映画ということであれば、その意義も伝わってくるのだが、今作はオリジナルにかなり沿っている。
封鎖空間の中で、登場キャラクターのトラウマや思想感が入り混じる構造は『CUBE』よりも『ソウ』や『エスケープ・ルーム』といった作品に近いのかもしれないが、いわゆるソリッドシチュエシーョン・スリラーを日本人キャストでやり直しているだけに過ぎない。
オリジナルを傷つけてはいけないという配慮からか、かなり手探り状態という、登場人物よりも製作側の緊張感が終始伝わってくる作品であることで、思い切りが感じられない。そのことによって、大きな失敗はしておらず、一定の安定感のある、それなりの作品に仕上がっている。
しかし、これはリメイクであって、一定の安定感に浸りたいのであれば、オリジナル版を観ればいいというもので、大失敗しようと「日本らしさ」を追求してもらいたかった。それでこそリメイクする意義があるというもの。
散々、類似作品を量産してきたアメリカでさえも、新しさを見出すのに苦戦しているというのに…..
致命的な点としては、登場人物に有名俳優が演じる人物が多数いることと中学生の子どもがいること。
まず圧倒的な人体破壊は主流の日本映画では無理。それが有名俳優であるなら尚更である。そのうえ、子どもがいるとなると、安心要素そのものでしかない。
「この子、絶対に死にませんよね!」っていうフリで『The FEAST/ザ・フィースト』やドラマでいえば『ウォーキング・デッド』のように死ぬパターンなら、「やってくれたな!」と思うのだが、案の定……といったところで、日本はアングラ映画でもない限り、子どもが殺される描写はできないだけに、子どもがいる時点で子どもを守りながらのサバイブという構図が嫌でも見えてきてしまう。
ただ、無難な作品を追求するのが「日本らしさ」というのであれば成功かもしれない。
点数 70
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