作品情報
1976~81年にテレビドラマとして人気を博し、2000年にはキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リューという人気女優が集結した映画版も大ヒットを記録した「チャーリーズ・エンジェル」をスタッフ&キャストを一新して再映画化。「トワイライト」シリーズなどで人気のクリステン・スチュワート、『アラジン』『レモネード・マウス』のナオミ・スコット、イギリスの新星エラ・バリンスカが新たなエンジェルたちを演じる。国際機密企業チャーリー・タウンゼント社の女性エージェント組織=通称「チャーリーズ・エンジェル」のサビーナ、エレーナ、ジェーンのもとに、「新開発のエネルギーが兵器化される」という情報がもたらされ、それを阻止すべく3人は命を懸けた戦いに挑む。『ピッチ・パーフェクト』『ブライトバーン 恐怖の拡散者』のエリザベス・バンクスが監督を務め、自らも出演。姿を見せないチャーリーに代わり、エンジェルたちに指令を出すボスレー役を務める。
『チャーリーズ・エンジェル』レビュー
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70年代海外ドラマの代表作として知られる「チャーリーズ・エンジェル」。2000年にはキャメロン・ディアス主演で映画化もされ、その後もシリーズ化が何度か試行錯誤されてきたシリーズである。
そんな「チャーリーズ・エンジェル」がついに新キャストで再映画化された。リブートという位置づけではあるが、過去作品との関連性もあり、劇中にもファラ・フォーセットのオリジナル版や2000年のキャメロン・ディアス版の写真が登場するが、2011年の『新チャーリーズ・エンジェル』に関しては触れられていないことから、やはり黒歴史のようだが、写真だけぐらい出してあげてもよかったのではないだろうか。
今回、全体的にエンジェル達がぎこちない。これを批判している人は多いと思うのだが、実はこのぎこちなさは、この映画の良さでもあるのだ。
そもそも今回の『チャーリーズ・エンジェル』は、以前のシリーズに比べて、チーム編成が上手くいってないのだが、悪い点ではない。
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お互いのことも良く知らない状況で組まされることになったサビーナとジェーン、そこに急にねじ込まれるかたちで参加してくるエレーナ。ぎこちないのは当たり前なのだ。
特に何もかもが完璧でスタイルもモデル体型、元MI6のジェーンが過去に起こした過ちや、仲間が負傷したときに流す涙は、人間のもつ強さと弱さを演出できているし、劇中の競馬場でジェーンが狙撃を普通に失敗するシーンで「おいっ!」って思った人もいるかもしれないが、あのシーンも実は意味があって、人間は完璧ではないし、心情に判断が揺れるという点を一番完璧なキャラクターで見せているのだ。
ジェーン役を演じているエラ・バリンズカの美しさと可愛さを追求した映画としては、それだけでも評価していいと思うし、彼女のファンになった人は多いはず!!
キャメロン・ディア版シリーズに関しては、とにかくテンション&テンポを大事にしていた作品であり、スピーディーな展開は正にガールズ・アクション大作という感じではあったが、今回のエンジェル達は、戦いの中で奮闘したり、成長する過程、友情の芽生えなどを中心に描いているため、アクション映画としては少し温い。
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007がスパイのくせに名乗ったり、ド派手に暴れまわるという、誰にも知られないように行動するというスパイという根本的リアリティを捨てたアクションを目指すというよりは、等身大の女性がスパイや工作活動をしたら...というコンセプトで構成されており、その中では、バカみたいな失敗だって時にしてしまうという変なリアリティが盛り込まれているため、とにかくアクション映画!という客層にも、とにかくスパイ映画!という客層にも受け入れられないものになってしまっているが、そもそもそれ自体がこの映画の観方が違うというところに原因があるのだ。
今作に関しては、『ブリジット・ジョーンズの日記』だったり『プラダを着た悪魔』のようなジャンルを観ると思って観た方がいいのだと思う
オリジナル版のコンセプトとしては、チャーリー・タウンゼント社が女性に現場仕事をさせるという反フェミニズムの中でありながら、エンジェル達がフェミニズムの象徴となる様な強い女性像をみせるという、なかなか矛盾のある作品を現代の風潮や世間の目を反映させてアップデートするのには、非常にバランスが難しい題材であることは言うまでもない。
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劇中のチャーリー・タウンゼント社自体にも、あやふやな点が多かったりして、会社自体が実際にその問題に直面している様にも感じられた。
模索している結果が、組織のバランスのおかしさを生み出していると考えれば、働き方改革と現代におけるフェミニズムのバランス、またはLGBTの描き方など多くを詰め込み過ぎてパンクしかけている様でならない。
ちなみにクリステイン・スチュワート演じるサビーナは、レズ、もしくはバイセクシャルという設定とされていて、しぐさや目の動きから感じ取ることはできるが、直接的には、触れられていない。
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キャメロン・ディアス版の特徴として、ピンクやオルセン姉妹、ブルース・ウィリス、キャリー・フィッシャーなど カメオ主演の豪華さもあったが、今回もカメオ出演のサプライズは多く盛り込まれている。
『リバーデイル』『ハスラーズ』のリリ・ラインハート、『バンブルビー』『トゥルー・グリッド』のヘイリー・スタインフェルド、スノーボード選手のクロエ・キム、『ロッキー・ホラー・ショー タイムワープ・アゲイン』『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のラバーン・コックス、プロレスラーのロンダ・ラウジー、オリジナルのメンバーであったジャクリーン・スミスなど畳み掛ける様にエンドクレジット前後で登場するが、できたら劇中に配置しておいてほしかったし、せめて主題歌を担当しているアリアナ・グランデ、マイリー・サイラス、ラナ・デイ・ルイぐらいは出してあげてもよかったと思うのだが...
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点数 82点
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