初の映画本『発掘!未公開映画研究所』の出版が待たれる映画評論家・映画ライターのバフィーによる徹底アカデミー賞分析。
そもそもアカデミー賞がどういった賞なのかということをご存じだろうか。
アカデミー賞というのは、映画芸術科学アカデミーが主催する約8500人ともいわれるアカデミー会員による投票による映画賞であって、他の映画賞のように映画評論家やマスコミによるものではないのだ。
アカデミー会員の内訳としては、年々変動はしているものの、俳優、プロデューサー、監督、脚本家、技術者、映画会社の幹部、映画の宣伝マンなど幅広いが、共通する部分は、身内で決める賞ということ。
一時期は、会員の高年齢化や人種の割合に白人が多いことなども問題になっていたため、今では幅広い年齢層、人種がその権利をもっているが、まだまだ男性の割合が多かったり、結局のところ白人の方が多いなど、様々な問題点は山住であったりもする。
しかし、根本的な部分として、身内が身内を評価するという点では変わりがない。
それだけに政治的駆弾引きがかなり発生してくるということ。
時代の流れと共に、近年は配信系作品のノミネートも多くなってきていて、今年は特に新型コロナウイルスで劇場公開がなかなか上手くいかなかった作品も混在しているため、何が配信で何が劇場用映画として作られたものかということがあやふやになりがち。
また、配信が受賞しにくいという部分に不信感を持っている人も多いのではないだろうか。それは正にその通りで、映画業界自体が配信系作品に票を入れにくい風潮であることをあからさまに示しているのだ。
そうは言っていながらも、Disney+やHuluの作品は受賞するかもしれないが、そこは「どうなんだ?」という意見もあるが、ここが配信系でも大きな違いであって、映画会社から派生した配信サービスの映画か、配信サービスから派生した映画かという点である。これについては「作品賞編」で詳しく説明します。
映画会社を企業として見て、政治的駆引きによる票取りゲームであることを理解したうえでアカデミー賞を観ることで、世の中の見え方も変わってくるのだ。
映画自体の評価だけでは、予想できないからこそ、面白くも難しいのがアカデミー賞ということ。
アカデミー賞が最高に素晴らしくおもしろい映画を決めるものだと思っている人も多い。そんな人にとっては、夢を壊してしまって悪いがアカデミー賞は決して「最高の映画」を決めるものではないということ。
私の予想が間違っていても、そこは何故そうならなかったかということを改めて考えることで、今映画業界に起きていることが浮き彫りになってくるという点でも、結果後にも答え合わせをしながら、解説したい。
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