ついに第94回アカデミー賞の発表が前日に迫って、様々な映画賞の結果が出そろってきた。
アカデミー賞は、多様性を目指して、現在1万人近くの会員数まで増やしているが、多様性にはなったものの、別の問題が発生している。
それは会員数の3~4割が、映画に関しての知識がない人や、そもそも作品自体を観ないで投票している人だということだ。
この3~4割が何を基準に決めるかというと、他の映画賞での評判だ。だから
などなど……各部門の予想の具体的な説明は、また改めて更新するとして、とりあえず速報と、現時点での予想を!
作品賞
『ベルファスト』
『リコリス・ピザ』
『ドライブ・マイ・カー』
コメント:
今回、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』がNetflix映画でなければ、圧倒的に『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が有利だといえるだろう。
アカデミー賞は言ってみれば、劇場で公開される映画の活性化自体も目的とされているため、主要部門で配信系作品が受賞できるかというと、現状として難しい部分もあるし、仮に受賞してしまうと、映画のあり方が揺らいでしまう。
時代だと言ってしまえば、それまでかもしれないが、批評家たちの賞ではなく、身内が身内に贈るアカデミー賞。まだまだ劇場映画を基盤としたビジネスであるはず、そうであってほしいと思う会員がどれだけいるかという話になってくるが、まだしばらくは揺らがないと信じたいということと、配信系を排除すると残るのは、『ベルファスト』『ナイトメア・アリー』『リコリス・ピザ』『ドライブ・マイ・カー』といったところだが、作品自体は良作揃いではあるが、はっきり言ってエンターテイメトンしては地味。
ザ・エンターテイメントという観点から見ると、『ウエスト・サイド・ストーリー』『DUNE/デューン 砂の惑星』の二択だが、『DUNE/デューン 砂の惑星』が作品賞を獲れるはずもないだけに、『ウエスト・サイド・ストーリー』受賞してもらいたいというのが、個人的な希望でもある。
とはいえ『ウエスト・サイド・ストーリー』を受賞しているのがゴールデングローブ賞ぐらいしかないのが気になるところではあるが、ここはあえて、他の映画賞を無視して、前回の予想のままにしておこう
監督賞
★スティーヴン・スピルバーグ『ウエスト・サイド・ストーリー』
濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』
コメント:
こちらもジェーン・カンピオンが最有力となっているし、どこでもスピルバーグは受賞していないが、スピルバーグの場合、1998年の『プライベート・ライアン』以来の受賞となる。やっぱり映画は劇場で観るべき!と印象付けられる監督がこの中では、スピルバーグしかいないのだ。
個人的にスピルバーグが特別好きというわけではないし、スピルバーグも今年『ベルファスト』のような、自伝的映画を製作しているだけに、来年度もノミネートされる可能性はあるが、このコロナ過で劇場を活気づけられるエンターテイメントという観点からも、それを獲ったスピルバーグであってほしいという個人的理由も含まれている。
ただ、これは作品賞も『ウエスト・サイド・ストーリー』もセットで受賞しての説得力であるため、最悪2つの部門を捨てる覚悟での予想だ。
主演男優賞
アンドリュー・ガーフィールド『Tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!』
主演女優賞
ペネロペ・クルス『Parallel Mothers』
助演男優賞
コメント:
これはトロイ・コッツァーが最有力とされているが、あえてここも変えないでおこう。
助演女優賞
長編アニメ映画賞
★『ミラベルと魔法だらけの家』
『あの夏のルカ』
『Flee』
『ミッチェル家とマシンの反乱』
『ラーヤと龍の王国』
短編アニメ映画賞
『Affairs of the Art』
『Bestia』
『ボクシングバレー』
『ことりのロビン』
★『The Windshield Wiper』
コメント:
ちなみに『こびとのロビン』は、『PUI PUI モルカー』みたいな質感のストップモーション・アニメで、王道ではあるものの、教育的なもの、教訓的なもの……大切なものがたくさん詰め込まれていて、それを短くまとめのは見事。
脚本賞
コメント:
圧倒的なおもしろさとしては『ドント・ルック・アップ』だが、おもしろいどうかは関係ないから…..別に『ベルファスト』が悪いわけでもないし、こちらも傑作中の傑作。全体的なバランスで『ベルファスト』のままにしておく。
脚色賞
ジョン・スペイツ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、エリック・ロス『DUNE/デューン 砂の惑星』
撮影賞
コメント:
最有力がグレイグ・フレイザーとされているが、あえてここも動かさずブリュノ・デルボネルに。
ちょっと美術も関わってきそうだが、『マクベス』の影の作り方、撮り方の印象の残り方はなかなかできるものではない。
ただ……作品自体を観ている会員が少ない気がする。
美術賞
★『ナイトメア・アリー』
『マクベス』
音響賞
『ベルファスト』
編集賞
マイロン・カースタイン、アンドリュー・ワイスブラム『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』
視覚効果賞
『フリー・ガイ』
歌曲賞
「No Time To Die」『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
「Somehow You Do」『フォー・グッド・デイズ』
コメント:
これはただの希望と、ビリー・アイリッシュよりビヨンセ好きの方が多いと信じたい。
作曲賞
アルベルト・イグレシアス『Parallel Mothers』
衣装デザイン賞
マッシモ・カンティーニ・パリーニ、ジャクリーヌ・デュラン『シラノ』
ジャクリーン・ウェスト、ロバート・モーガン『DUNE/デューン 砂の惑星』
メイク・ヘアスタイリング賞
『星の王子ニューヨークへ行く2』
■『クルエラ』
★『タミー・フェイの瞳』
国際長編映画賞
★『ドライブ・マイ・カー』(日本)
『ブータン山の教室』(ブータン)
『Flee』(デンマーク)
『Hand of God -神の手が触れた日-』(イタリア)
『The Worst Person in the World』(ノルウェー)
短編実写映画賞
『Ala Kachuu – Take and Run』
『The Dress』
★『The Long Goodbye』
『On My Mind』
『Please Hold』
長編ドキュメンタリー賞
『Ascension』
『Attica』
『Flee』
★『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』
『Writing with Fire』
短編ドキュメンタリー賞
『オーディブル:鼓動を響かせて』
『私の帰る場所』
★『The Queen of Basketball』
『ベナジルに捧げる3つの歌』
『 When We Were Bullies』
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