THE映画紹介とは?
THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『ヘンリー』
作品情報

1970~80年代に全米で300人以上を殺害したといわれる伝説の殺人鬼で、「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクターのモデルにもなったといわれるヘンリー・リー・ルーカスの日常を、冷徹な筆致で描いた犯罪スリラー。14歳の時、虐待を繰り返す母親を殺害したヘンリーは、相棒のオーティスとその妹ベッキーとの奇妙な共同生活を始める。しかし、ヘンリーは次第に本能的ともいえる殺人衝動が抑えられなくなっていく。一方ヘンリーに惹かれるベッキーの様子にオーティスは嫉妬し、そのことから3人の共同生活は思わぬ惨劇へと発展していく。86年に製作されたものの、アメリカでも90年に公開されるまでお蔵入りなっていたいわくつきの一作。
『ヘンリー』基本情報

1986年製作/86分/アメリカ
原題:Henry: Portrait of a Serial Killer
監督: ジョン・マクノートン
出演 : マイケル・ルーカー、トム・トウルズ、トレイシー・アーノルドほか
短評

『羊たちの沈黙』のレクター博士のモデルになったともいわれている、全米で300人以上を殺害したとして知られる殺人鬼、ヘンリー・リー・ルーカスが淡々と人を殺害していく様子を描いたサイコ・スリラー。
近年では『ウォーキング・デッド』のメルル役や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のヨンドゥ役で知られる、マイケル・ルーカーがヘンリー役を演じている。
この映画が製作された当時、出資会社は『13日の金曜日』のような架空の殺人鬼のスラッシャームービーを期待していた様だが、実際に出来上がった作品は、男が淡々と人を殺していくという狂気に満ちた作品であった。
『13日の金曜日』も『ハロウィン』もマスクを付けた人間離れしたモンスターのような存在だから、何考えている分からなくてもある程度、差別化できるわけであって、普通の人間が何考えているか分からないで殺すことが、こんなに怖いことなのかと思い知らされる作品である。
日常生活のルーティーンのように、人を殺すが、理由は全くわからない。娼婦だけを殺すのかと思えば、通行人やたまたま会った人、気に食わない店員など無差別極まりない。
ヘンリーは、刑務所に入っていた過去があり、そこで出会った男オーティスと同居しながら裏では人を殺していたのだが、ある日オーティスの妹ベッキーが夫との間に問題があって家出してくることから、感情を見せなかったヘンリーに少し人間性が見え隠れするという展開になるりのだが、オーティスという男がなかなかのクセ者!!
オーティスは、ヘンリーが人を殺すのに便乗して、一緒になって「誰かを殺したい」と無差別に人を殺すというヘンリーとは違ったタイプのサイコパス。
ある時、ビデオカメラを手に入れてことから、殺人を撮ってはテレビで何度も観てはスローにしたり巻き戻したり…殺人鬼を扱った映画でより狂った殺人鬼が登場してくるのも正直どうかと思うが、これは狙いなのだ。
ベッキーはヘンリーが好きになってしまい、ヘンリーもベッキーには特別な感情があるような表情や展開をみせることと、オーティスの飛びぬけた狂気性によって、「ヘンリーも人間らしいところあるなぁ~」なんて思ってしまう。
一度はヘンリーがあたかも人間性のあるキャラクターのように引いた視点でみせておいて、一気にヘンリーの狂気性に視点を戻すことで、やはりヘンリーの方が恐ろしいし、裏では人を大量に殺しているというギャップの恐ろしさが倍増するのである。
ベッキーは特別な関係であって、ベッキーとなら人間らしい生活がおくれるかもしれないと思わせる少しの救いさえも、衝撃のラストで打ち砕かれる。
シンプルな作品であるが、ジェイソンやマイケルよりも圧倒的に怖い映画だ。



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