
作品情報
どんな時も力強く自分の人生をさがし続けた故ダイアナ妃。美しくも悲しいその半生を描いた新作ミュージカルを、2021年11月からのブロードウェイ上演に先駆けて収録し、Netflix映画として先行公開!大ヒットミュージカル「メンフィス」を手掛けたジョー・ディピエトロとデヴィッド・ブライアンの脚本作品というのも注目すべき点だ!!
『ダイアナ ザ・ミュージカル』レビュー

Disney+の『ハミルトン』の配信も素晴らしかったが、『ハミルトン』の場合は、国民的人気作ということもあって、舞台で観てる人もかなりの数がいたのに対して、新型コロナで劇場が閉鎖になったことが一番の原因ではあるが、今作はブロードウェイ公演に先駆けてプレミア配信されたことで、世界中が同時に感動を共有できることをプラスに考えれば、画期的な試みである。
Netflixでは、エミー賞常連のドラマ『ザ・クラウン』が正にイギリス王室の物語を描いていて、シーズン5からはダイアナ編に突入することもあって、ベストタイミングといえるかもしれない。
そして注目すべき点は、今作はイギリス制作ではないということ。アメリカが制作したミュージカルということもあって、イギリス王室への忖度はなく、その環境下における人間関係をドロ臭くも描いている。
あくまで中立的に描くことで、チャールズ皇太子の浮気相手とされたカミラとの関係性や、一方でダイアナの浮気相手とされるジェームズ・ヒューイットも登場するが、それぞれをドラマチックに描いてみせる。
スキャンダラスで複雑すぎたイギリス王室をユーモア満載でコミカルにもシニカルにも描きながら、愛と嫉妬が入り乱れる中に、ポップ、ロック、バラードと多種多彩な音楽ジャンルを組み込んだミュージカル・シーンの数々は飽きさせる暇をあたえてくれない。曲もストーリー展開も非常なテンポが早く、キャッチーな曲が多く耳に残るものばかりだ。
無能な娘と言われていたダイアナが窮屈な王室の中で、自分なりの居場所を見つけていき、ダイアナがイギリスのアイコンとして世界中で有名になっていく。
その一方で、ダイアナの影に隠れてしまい立場が逆転してしまうチャールズからの視点も描かれていて、生まれながらに重荷を背負った立場としては切ない。
騒がしく動き回るマスコミの存在も上手く取込んで、良くも悪くも王室自体がマスコミによってコーティングされていることを俯瞰でみせる。
史実通り、ダイアナは離婚そして死に向かっていくわけだが、ダイアナが残した世界へのメッセージは、この作品を通しても伝わってくる。
ダイアナは今でもこうやってミュージカルやドラマ、映画になって人々に影響を与え続けているのだ。

点数 89
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