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新作映画批評:『ツーリストファミリー』(2月6日公開)

作品情報

【ストーリー】

夜に紛れてスリランカからインドに密入国した一家。夫のダース(シャシクマール)、妻のワサンティ(シムラン)、2人の息子ニドゥ(ミドゥン・ジェイ・ジャンガル)とムッリ(カマレーシュ・ジャガン)の4人だ。スリランカでの貧困から抜け出すため非合法な難民となった彼らは、ワサンティの兄(ヨーギ・バーブ)の助けで、なんとか大都市のチェンナイに居を定める。身分を偽り、言葉で素性がバレない様に近所との接触を控えて、新天地での生活を始めた4人。しかし、素朴で人懐っこい彼らは、職を探し、狭い町内で様々な出来事に巻き込まれながら、次第に周囲の人々との交流が生まれていく。そんな中、テロ事件を追った警察の疑いの目が彼らに向けられる。密入国者として追い詰められた彼らと町の人々が最後に起こした奇跡とは?

【クレジット】

<キャスト> シャシクマール シムラン ミドゥン・ジェイ・シャンカル カマレーシュ・ジャガン ラメーシュ・ティラク ヨーギ・バーブ

監督・脚本:アビシャン・ジーヴィント、マダン

配給:SPACEBOX

配給協力:ラビットハウス

Ⓒ Million Dollar Studios Ⓒ MRP Entertainment

原題:Tourist Family /2025 年/インド/タミル語/127分

2026年2月6日<金>全国ロードショー

2022年のスリランカ経済危機の影響によるインフレで借金地獄に陥り、貧困生活から抜け出すためにインドのタミルナードゥに不法入国してきた家族。いきなりパトロール中の警官に捕まってしまうものの、泣き落としで難を逃れたが、こともあろうか住居は警官の家の上!!

ケーララ人だと偽りながら、極力、他人と関わらないようにしなければならないというのに、世話焼きな家族とご近所さんが交流を深めていく物語である。例えば同じテイストの作品でいうと、韓国映画『レッド・ファミリー』(2013年)のように、不法移民かどうかを探り合うような、スリリングな駆引きがあるというよりは、周りとの交流を中心にハートフルな人間ドラマで構成されている。

今作で長編監督デビューを果たしたアヴィシャン・ジーヴィントは、新人ながら一躍脚光をあびることになったが、映画業界とは無縁の環境で育ってきたことらコネクションは一切なし!自身のYouTubeチャンネル「Thug Lightu」を通して短編映画『DOPE』(2019年)、『Nodigal Pirakatha』(2020年)を公開しており、それらが高く評価されたことで長編制作に挑むことに。

不運なことに新型コロナの影響で一時は中止に追い込まれながらも、24歳で完成に至ったという経緯もあって、正真正銘、実力でタミル映画業界に風穴を開けたのだ。

実は初期段階では、ビル・マーレイ主演作『おつむてんてんクリニック』(1991年)のタミル語リメイクで、カマル・ハーサン主演作『Thenali』(2000年)の続編的な物語を作ろうとしてスタートした企画だったらしく、脚本を作り直していく工程で、不法移民家族の物語に変化していった。

ちなみにアルコール依存症の青年役を演じているのはアヴィシャン自身だが、なんと今作の共同監督のマダンの新作で、2026年2月公開予定の『With Love』では、主役としてキャスティングされている。監督と並行して、俳優業にも期待できそうだ。

デビュー作という点でもうひとつ注目すべきなのは、JioHotstarで配信されている医療ドラマ『Heart Beat』(2024年~)のテジュ役で知られるヨガラクシュミにとっても映画デビュー作となったことだ。

今作のなかでヨガラクシュミは、家族の下の家に住むクラルを演じており、サブキャラクター扱いではあるものの、確実に存在感を示していた。

総合評価:82点

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