作品情報
『パラダイス・ナウ』『オマールの壁』でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたハニ・アブ・アサド監督が、パレスチナ・ガザ地区出身の歌手、ムハンマド・アッサーフの半生を映画化。紛争の絶えないガザ地区に暮らし、「スター歌手になって世界を変える」ことを夢見るムハンマド少年は、姉ヌールと2人の友達とバンドを組み、ガザの町で歌っていた。弟の声が「最高」だと信じる姉のヌールが立てた「カイロのオペラハウスに出る」というとてつもない目標を目指し、ムハンマドたちは資金集めと練習を兼ねて結婚パーティなどのステージで演奏を披露。ムハンマドの美声は聞く者たちを魅了したが、姉の立てた目標は達成することなく、思わぬ形で終わりを迎えてしまう。
『歌声にのった少年人』基本情報
2015年製作/98分/G/パレスチナ
原題:Ya Tayr El Tayer
監督・脚本:ハニ・アブ=アサド
出演:ジタウフィーク・バルホーム、ナディーン・ラバキー、ムハンマド・アッサーフなど。
亡き姉の意思をオーディション番組が繋いだ奇跡

『アメリカン・アイドル』の姉妹番組である『アラブ・アイドル』に2013年に出場し、優勝したムハンマド・アッサーフの実話を元にした作品。
ムハンマドの子供時代が山崎賢人に似ているのにも注目!!
本家の『アメリカン・アイドル』でさえ日本では知名度があまりないのに、『アラブ・アイドル』なんて更に知られてない番組ではあるけど、『アメリカン・アイドル』の姉妹番組って実は数多く存在している。
それ以外にも『ザ・ヴォイス』や『Xファクター』『ブリテンズ・ゴッド・タレント』などなど…数えたらきりがないほどのオーディション番組があって、その出場者ひとりひとりにドラマがあるということはネタ切れと言われている映画業界でもネタの宝庫と言ってもいいのかもしれない。

過去に日本のワイドショーなどでも取り上げられた『ブリテンズ・ゴッド・タレント』で優勝したポール・ポッツの人生を映画化した『ワンチャンス』や同じく番組出身者のスーザン・ボイルも映画化されるという企画があったがどうなっているのか….
日本でもプチブームになったワンダイレクションも『Xファクター』出身のアーティストだったりする。
知らないところでこの様なオーディション番組によって様々なアーティストが生まれて、活躍しているのを知らないうちに目にしているということが実際に結構あったりする。

今回の映画で取り上げられているのは『アラブ・アイドル』ではあるのだが、ベースとなるのはあくまでムハンマドの生まれ育った紛争地での人間ドラマ。
『シング・ストリート』の様な子供たちのほのぼのとした音楽活動を描いた映画なんかではない。歌手になりたいと言っても楽器や機材を揃えることも他の国と比べてかなり困難な状況でありながら亡き姉がみとめてくれた声だけを頼りに歌い続ける姿を観ていると、日本のような恵まれた環境で甘いこと言ってられないという気にはなってくる。

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