作品情報
映画・ドラマなど映像コンテンツのストリーミングサービス最大手として成長を続ける巨大企業「Netflix(ネットフリックス)」の裏側を描いたドキュメンタリー。世界190カ国以上での事業展開、有料契約者数1億8300万人、コンテンツ投資額年間1兆5000億円、さらにアカデミー賞や各国の映画祭でも受賞やノミネート作品を送り出すなど快進撃を続け、国際的な映像ビジネスに革命をもたらしたNetflix。その徹底した思想と戦略の原点は、同社の創業期にあった。ベストセラー「NETFLIX コンテンツ帝国の野望 GAFAを超える最強IT企業」の著者ジーナ・キーティングが脚本を手掛け、共同創業者で初代CEOのマーク・ランドルフら主要創業メンバーや、当時の競合相手たちが多数登場。創業秘話やライバルとの攻防、致命的な失敗、大量解雇、倒産危機から偵察活動に至るまで、知られざる事実を解き明かしていく。
『NETFLIX 世界征服の野望』レビュー

Netflixと日本ではゲオの原型となったレンタルビデオをメインとした企業「ブロックバスター」との、宅配レンタル産業における市場争いがDVDが普及したことによって勃発した。
店舗を持たない小さな企業Netflixが、当時は数千の店舗をもつ超大企業ブロックバスターに、どうやって勝つことができるかという奮闘を描いている。
映画の元になっていて、今作の製作として参加しているジーナ・キーティングの2012年に発表されたジーナ・キーティングの著書「NETFLIX コンテンツ帝国の野望 GAFAを超える最強IT企業」 がベースとなっていることもあって、メインとなっているのは、今のNetflixの実態を描くというものではない。
あくまでNetflixという企業がどういった経緯で誕生した企業であって、もともとは何をしていたのかという初歩的な入門編である。
特に日本では、動画配信サービスとして上陸したため、実はそれ以前の宅配DVDレンタルサービス会社であったことは、あまり知られていないが、アメリカではレンタルビデオ業界に喧嘩を売った相手として、市場争いを激化させていたのだ。
当時のアメリカでの熱量や消費者の動きというのは勉強になるが、動画配信サービス業として、急成長を遂げた、今のNetflixの実態解明としては、かなり弱い作りとなっている。今求められているのは、2012年の本の内容よりもその先である。
本の出版以降にどんな動きがあったかというと、2013年に『ソーシャル・ネットワーク』『セブン』などで知られる映画監督デヴィッド・フィンチャーを口説き落として、初のオリジナル作品である『ハウス・オブ・カード 野望の階段』を製作したのだ。
何が観たいかというと、Netflixの成り立ちもそうではあるのだが、動画配信サービス企業がオリジナル作品を製作するまでにいたる過程や苦悩、そしてその後も続く『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』『オクジャ』などのオリジナル作品の製作の着手、映画会社がプロモーションの仕方を悩んでお蔵入りになる寸前の映画を買い取る行為、映画会社、俳優、組合との関係性や温度差を観たいわけだ。
それが全く描かれてないわけではないが、補足程度にかなりサラりと流されてしまっていて、「触れてはおきますけど~」といった程度でしかなく、あくまでDVDレンタル市場争いがメインとなっている。
それでもウィル・スミス主演の『ブライト』や『クローバーフィールド・パラドックス』が駄作であるとサラり言っている点は、今のNetflix批判のように感じられる部分も見え隠れする。
論点はそこではないと言われてしまえばそうかもしれないのだが、何だか本題の手前で終わってしまったような感覚になったのは残念でならない。
それであれば、わざわざ映画化するまでのことだったのだろうか…本だけでも事足りるし、テレビでもよかったのではないだろうか。
インタビューの数々も興味深くはあるのだが、どれも過去のスタッフや関係者ばかり。過去のことは触れることはできても、企業として、現在進行形の手の内は明かせないということなのだろう。
続編はないかもしれないが、この映画の先が観たい。

点数 70
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