2000年代からも多くのジェンダーメッセージを含んだ作品は制作されてきていたものの、特に2010年代に突入してからは、 インド全体にある男尊女卑というマイナスイメージから脱却するべく、フェミニズム色の強い作品やミソジニーを描いた作品が多く制作されるようになった。
そういった少しプロパガンダ的な試みが、結果として女性の地位向上などポジティブな印象を世界的にあたえてるのかもしれないが、その一方でインドの男性は女性を下に見ているとか、手をあげたり暴言をはくなどといったマイナスイメージによって困っている人もいるのかもしれない。
インドが男尊女卑というイメージがあるといっても、当然ながらそうではない男性陣もいるわけで、もともとそういったことを嫌っている男性もいる。あるいは男性こそがやはり上位だと自信をもっている者もいる。
日本でも6月に公開される『アシスタント』や『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』として映画化もされたハーヴェイ・ワインスタインらによる性加害問題によって激化した#MeeToo運動は、どうしても女性に焦点が当たりがちだが、多様性が騒がれる世の中であるからこそ、女性からの偏見の目や逆セクハラなどに対して男性差別だという主張も受け入れられるべきではないだろうかという意見などから、インドでは実際に2019年頃からMen Tooムーブメントというが一部で起きており、それをコメディテイストに映画化したのが今作『#Men Too』というわけだ。
監督を務めるのは、今作が監督初作品となるスリカンス・G・レディ、脚本を務めるのは、俳優・作詞家として知られるラケンドゥ・ムーリ・ベネラカンティだが、こちらも初脚本作品となっている。
出演はナレーシュ・アガスティヤ(『Mathu Vadalara』『Senapathi』)やブラフマージ(『Bloody Mary 』『O Pitta Katha』)、ビバ・ハルシャ(『Chittam Maharani』『Month of Madhu』)、テルグ・タミル映画界を行き来する女優のリヤ・スマン(『Manmadha Leelai』『Top Gear』)ほか。
『#Men Too』はインドで2023年5月26日より公開されるほか、時差で25日扱いとなってはいるがアメリカの一部劇場でも同日に公開される。
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