
THE映画紹介とは?
THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『ザ・ブルード 怒りのメタファー』
作品情報

夫婦間や親子間の亀裂というテーマとともに、驚愕の科学実験が生んだ凄惨な恐怖を描いたデビッド・クローネンバーグ監督のホラー。幼少期に受けた虐待が原因で神経症を患うノラは医師ラグランの診療施設に入院する。しかしノラの夫フランクは彼女を隔離し面会させないラグランに不信感をいだく。一方、ラグランは人間の怒りを実体化する実験を行なっていた。ノラの体にできた腫瘍から異形の群れが現れ、やがて復讐を開始。ノラとフランクの娘キャンディスにも危険が迫る。
『ザ・ブルード 怒りのメタファー』基本情報

1979年製作/91分/カナダ
原題:The Brood
監督: デビッド・クローネンバーグ
出演 : オリバー・リード、ヘンリー・ベックマン、サマンサ・エッガーほか
短評

ヘビメタの曲名のようなサブタイトルのついた映画ではあるが、「ブルード」という単語の意味は「腹の子」「胎児」とか「卵を抱える」などの場合に使う単語であって、これの意味はラストで判明するわけだが、デヴィッド・クローネンバーグが何故、こんな映画を作ったかというと、単純に変態というのは、おいといて…この映画を製作した当時は、クローネンバーグ自身が丁度、妻のマーガレット・ハインドソンと離婚調停中だったこともあり、その怒りが「妻の方が悪い」という憎悪が込められいる。
今作に登場するクリーチャーは怒りが元になって誕生するという設定で「怒りのメタファー」というサブタイトルを付けたわけだが、この映画自体もクローネンバーグの「怒りのメタファー」でもあるのだ。
だからこそ、ノラが母親として、妻としての優しさをみせるというシーンがほとんどなく、とにかく怒れた(イカれた)女性として描かれているというのも納得ができる。
ノラを演じているのは、「アンナと王様」のドラマシリーズで主演を務めたサマンサ・エッガー。サマンサ・エッガーは目が少しはなれた女優で知られているが、今作の彼女の演技は、とても不気味で見事!!

客を入れて公開診療なんかをしていて、それなりに名の通った精神科医ラグランに精神的に病んでしまった妻、ノラのことを任せているフランクが娘のキャンディを会わせた後に体にたくさんの傷ができていることに気づき、妻に会わせろと言っても子供以外は会わせないラグランに対して、次第に治療に不信感を持ち始め、調査を開始するフランクとキャンディ、更には係る人たちにまで子供のようなクリーチャーによって襲われていくという物語。
ラグランの研究の犠牲になっているノラではあるが、実際にクリーチャーを生み出しているのはノラであって、クリーチャーはノラの意思によって周りの人間を殺していくのだが、ラグラン自身は別に人を殺したいための研究じゃないために、そこのズレには葛藤が生じることになる。
結局のところ、ラグランの研究する「サイコ・プラズミック」の方向性がよくわからないし、腑に落ちない部分も結構ある作品ではあるが、クローネンバーグにしてはあっさり味の作品である。
スーザン・ホーガン演じる学校の先生が何で殺されるかというと…つみきのトンカチ!!子供いる人ならわかると思うけど、これで人殺すって逆に大変だし、実際には噛みついたりもしたんだと思うけど、結構すぐなタイミングでフランクが駆け付けたのにも関わらず、あの血だらけ具合を考えると、結構な怪力も持っているのであろう。
しかし、先生はただ留守番してあげていただけなのに、あの末路は悲惨である。
ギレルモ・デル・トロが製作したドラマシリーズ「ストレイン」に子供のストリゴイ軍団が登場するのだが、雰囲気が似ていて今作を参考にしているのではないかと思った。



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