『新聞記者』や最近でもTwitterのアカウント凍結騒動のあった『パンケーキを毒見する』などで知られるスターサンズが手掛けた、これまた衝撃作『空白』
公開が9月とまだ先ということもあって、タイトルが伝えようとしている意味や詳しい評論は公開日近くにするとして、マスコミ試写で観た率直な感想は「こうなると思ってなかった…」という日常生活において、誰もが思いがちなものの究極体が刃物となって突き刺さるような映画だったということ。
ある日、スーパーで万引きをした少女が店長から追いかけられ、事故死してしまう。
車に轢かれて死亡した本人もそうだろうし、追いかけたスーパーの店長、車を運転していた人の「こうなるとは思っていなかった…」が交差するとき、悲劇に変わってしまう。
古田新太演じる添田充は、昭和の頑固親父のような口も悪く、自分が中心で地球が回っているとでも思っていそうな人物。そんな父親の圧力によって、言いたいことが言えない日々を送っていた花音。
しかし、充自身も娘が突然、亡くなってしまうなんてことは想像もしていなかった。当たり前に存在していると思っていたからこそ、大雑把になりがちな扱いだったとしても、父親として娘を想う気持ちに嘘はなく、ただ不器用すぎただけ。行き過ぎていただけ…
今更、後悔したところで戻るはずもない娘への伝えられない想いはどこに向かっていくのだろうか…
「こうなると思っていなかった…」が凶器にも、狂気にもなり、また自分にも突き刺さってくる。
添田充ももちろんのこと、松坂桃李演じるスーパーの店長直人や寺島しのぶ演じる直人を支えようとするが空回りし続けるパートの麻子、花音の担任で自信も心無い言葉を浴びせていた若菜、充の元妻で花音の実の母翔子、様々な周囲のキャラクターやマスコミ、世間をも巻き込み、あらゆる視点から「こうなると思っていなかった…」が交差し、容赦なく突き刺さってくる!!
人と親、人の子であれば、誰もが被害者にも加害者にもなってしまう日常と隣り合わせである身近なものであながら、究極の地獄。
しかし、それでも生きていくしかない…それが残されたものに課された使命ということ。
【作品情報】
出演:古田新太、松坂桃李、田畑智子 、藤原季節 、趣里、 伊東蒼、片岡礼子 、寺島しのぶ
監督・脚本:吉田恵輔
音楽:世武裕子
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
制作プロダクション:スターサンズ
撮影協力:蒲郡市
配給:スターサンズ/KADOKAWA
製作:2021『空白』製作委員会
コピーライト : (C)2021『空白』製作委員会
レイティング:PG12
公式サイト:kuhaku-movie.com
2021年9月23日(木・祝)全国公開 (金)公開
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