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メディア寄稿:『ツーリストファミリー』評(映画チャンネル)

メディア寄稿:『ツーリストファミリー』評(映画チャンネル)

『ツーリストファミリー』評

第98回アカデミー賞において、インド映画では『Mahavatar Narshmha』や『Kantara A Legend: Chapter 1』、『Tanvi The Great』と共に、作品賞のショートリストにも選出されていた『ツーリストファミリー』。

日本の『国宝』や韓国の『しあわせな選択』も今回は残念だったが、作品賞にアジア系の作品が入る風潮というのが、何年に一度か来る。2026年度においては、国際長編やドキュメンタリー、短編にいたっても、全くインド系の作品がノミネートされていなかった。ただし、あくまでそれは、今年ではなかったというだけの話で、来年か再来年あたりでインド映画ラッシュが来る予感がしている。

さて本題の『ツーリストファミリー』だが、いよいよ日本でも公開になる。スリランカの経済危機によって、借金地獄に陥った家族が、インドに密入国してくるが、その先で様々なトラブルに巻き込まれながら、人の優しさが身に染みる人情コメディだ。他人と関わらないように、ひっそりと暮らすはずが、お節介な家族には、それが難しい……。

不法移民を扱ったインド映画は、シャー・ルク・カーン主演作『Dunki』(2023)や『Shiddat』(2021)など、いくつかあるし、インドだけに限らず、世界各国で定期的に制作されており、題材的には、別に物珍しいわけではない。

不法移民問題を考えさせ、インドやスリランカの社会的背景に目を向ける作品というよりは、シンプルに人情劇として楽しむように構成されて、『Revolver Rita』(2025)や『Vaayai Moodi Pesavum』(2014)などの音楽を手掛けてきた作曲家、ショーン・ロルダン(Sean Roldan)による優しくてポップな音楽が感情を揺さぶるように、随所に上手く配置されている。

例えば今作を、社会派作品を観るような、鋭い視点で観てしまうと、不法移民以外に身分証の偽造やペットの誘拐といった、犯罪が連発されていることが無視できなくなってしまう。

2025年11月にもパキスタンのイスラム過激派組織による爆破テロが実際に起きており、8名の命が奪われた。今作に登場する家族が結果的に無害だったというだけであって、実際は、そうとは限らない。家族のふりをしたテロリストやスパイもいるのだ。そう考えてしまうと、人情劇として済ませていいのかという疑問も出てきてしまう。

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