
『ハリエット』『クリスマスの贈り物』など黒人社会における問題提議、貧困、差別、ルーツ、信仰心といった様々な題材を扱い、今後の黒人映画においてなくてはならない存在となる監督がケイシー・レモンズだ。
『羊たちの沈黙』や『ER』など映画やドラマで若い頃から活躍していたケイシー・レモンズであるが、1988年に出演したスパイク・リー監督作品『スクール・デイズ』では、黒人が多く通うアメリカ合衆国南部の大学を舞台として人種問題と黒人としての誇りという部分が描かれており、ケイシー・レモンズの作家性に幾らかの影響を与えたようにも感じられる。
1997年に『プレイヤー/死の祈り』で映画監督デビューして以降は、一貫して黒人を主人公とした黒人社会の問題提議を描いてきている。
その中でも女性が強い映画やドラマを撮る傾向になってきており、『ハリエット』や1,2話を担当したドラマ『セルフメイドウーマン ~マダム・C.J.ウォーカーの場合~』でも男性が弱く感じられるほどの強い女性像を描いている。
『クリスマスの贈り物』は、直接的に女性の強さを描いたものではないが、登場する男達は、どこか頼りなかったりする。
黒人社会を描くと同時に女性の強さや独立といった、フェミニズムに焦点を当てて、人種問題と並行して描くことで、2層構造の物語を作り上げることも上手い監督だと言っていいだろう。
『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグも女優でありながら、監督デビューを果たし、女性の独立を描いているという点では、ケイシー・レモンズ共通する部分もあるが、現実社会、映画業界がまだまだ男性社会ということへのメタファーとして、男性が弱く描かれているように感じられるのは、気のせいだろうか…

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