作品情報
【ストーリー】
ギャビーはおばあちゃんのジジと一緒に車に乗って、都市のワンダーランド“キャット・フランシスコ”へと旅に出た先で繰り広げられる“みんなが知らないお話”が描かれます。新たな出会いの中で、ギャビーとネコちゃんたちは予想もつかない困難に巻き込まれていく―。ギャビーは無事にピンチを乗り越え、ドールハウスやネコちゃんたちとお家に帰ることができるのでしょうか!? 大人気テレビシリーズ初の映画化、ギャビーとネコちゃんたちの繰り広げる世界がいつもよりも鮮やかに、物語も映像もスケールが“ニャン倍”にもパワーアップしたニャンタスティック・アドベンチャーに出発です!
【クレジット】
監督:ライアン・クレゴ
■製作:スティーブン・シュウェイカート
■製作総指揮:ジェニファー・トゥーミー & トレイシー・ペイジ・ジョンソン
■吹替キャスト:小澤美優(ギャビー)、髙橋輝(パンディ・ポーズ)、夏谷美希(ピロー・キャット)、佐倉綾音(キティ・フェアリー)、杉山里穂(マーキャット)、石内美羽(ベビー・ボックス)、久嶋志帆(カーリタ)、寸石和弘(DJキャットニップ)、櫻井トオル(キャットラット)、加藤岳(ケーキー)、小島よしお(クッキー・ボビー)、井上喜久子(ヴェラ)、関智一(チャムズリー)、松本梨香(ジジ)、早見沙織(サンフラワー)、吉野裕行(マシュー)、福山潤(エクステンシャル)、伊瀬茉莉也(ツイッギー)、花守ゆみり(モリー&チョッパー)ほか
■キャスト:ライラ・ロックハート・クラナー、クリステン・ウィグ、グロリア・エステファン、トーマス・レノン、ジェイソン・マンツォーカス、エゴ・ウォディム、 カイル・ムーニー、メリッサ・ヴィルアセノーラ、フォーチュン・フィームスターほか
■原題:Gabby’s Dollhouse: The Movie
■配給:東宝東和
■©2026 DreamWorks Animation
■公式HP:https://gabbysdollhouse-movie.jp/
3 月 13 日(金)全国公開

ライラ・ロックハート・クラナー主演で2021年から続いている子ども向け番組「ギャビーのドールハウス」の劇場版。
アメリカでは初登場2位を記録。韓国でも知名度が高く、今作にはaespaがオリジナル楽曲「Dollhouse World」を提供している。日本での知名度は発展途上ではあるが、小さい女の子のいる家庭では、おもちゃ売り場などで目にするようになってきたといえるだろう。
本来、この手の作品は、日本での知名度を考慮して、未公開スルーになりそうなところではあるのだが、比較的知名度があったなかで公開された「シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ」のコンサート映画よりも公開数は多い。
おもちゃの映画化としては、日本でもそこそこ知名度のある『モンスター・ハイ』は配信映画だったし、『ハニー・ガールズ ~夢への扉~』(2021)は未公開スルー、『ブラッツ』(2007)に関しては、配信すらされていない。
そう考えると、結構冒険的な公開劇場数ともいえるだけに、少し心配になる部分は多いものの、がんばって劇場公開しようとする姿勢は良いことで、応援したくなる。
さて物語はというと、ライラ演じるギャビーが猫耳カチューシャを持って歌というか、呪文をとなえると、アニメキャラになって、ドールハウスのなかにいるネコキャラたちと、歌ったり踊ったりして遊ぶ~というが基本で、ギャビーが画面を通して話しかけてくるYouTubeスタイル。
大人ひとりで観ていると恥ずかしくなってくる仕様だ……。
視聴者に話しかけてくるテレビ番組やドラマは、「リジー&Lizzie」や「アイ・カーリー」など、今までにも多く制作されているし、ディズニーチャンネルなんかではよくあるスタイルではあるが、今作はそれらと比べてもYouTube色が強く、時代を感じさせられる。
テレビシリーズに関しては、何気ない日常のなかで起こる、ちょっとした冒険や遊びを描いた平和なストーリーが多いが、映画版となると、ある程度の冒険要素やテレビ版よりもドラマ性を加える必要が出てくる。
ということで、実写パートが多めに制作されており、信号機や建物も猫のかたちで、みんなが日常的に猫のことを考えている……という、世界が猫に支配されているかのような、ある意味カオスな世界観が、テレビ版以上に映し出されている。
映画版ということで、CGのクオリティは圧倒的に高く、ギャビーの髪質も繊細になっているが、とくにミュージカルシーンや使用楽曲にはセンスが感じられる。
aespaやルー・カラの参加、「アサシン クリード」シリーズの音楽を手掛けるステファニー・エコノムがスコアを担当。テレビ版にもレギュラー出演している「パワーパフ・ガールズ」のバブルス役で知られる声優のタラ・ストロングも楽曲参加しているサントラ(英語版)は大注目だ。
音楽を探求する者の教訓として、この手の作品のサントラを決してなめてはいけなけない。「Kaleidoscope」や「Gabby’s Dollhouse World」など、キャストによる楽曲も、ひとつひとつクオリティが高い。
番組のサントラも定期的にリリースされているし、ラテン特集版なんかもあるのだが、そちらは子ども番組色が強いの対して、さすが映画版といえるエフェクトだ。とにかくサントラだけでも聴いてみてほしい。
ただ、今作には、グロリア・エステファン演じる祖母ジジが初登場するのだが、グロリアといえば、ラテン・ポップの女王。2025年には、18年ぶりのスペイン語で30枚目となるアルバム「Raíces」リリースしたばかりで、まだまだ現役のアーティストだ。
なのに残念なことに、楽曲にほとんど参加していない。もっとラテン・ポップな楽曲が入っていれば、音楽はもっと良くなったのではないだろうか……。
ジジのドラマパートも少しあったからこそ、どうして??と思ってしまう。本当に勿体ない!!
今作は、そもそもドリームワークスの作品でもあることから、基本的な構成は王道だが、ライラが成長し過ぎてしまったことがメタ的に扱われ、『トイ・ストーリー3』(2010)的な、おもちゃで遊ぶ歳じゃなくなってきた問題がメタ的に取り入れられている。
『ワンダーウーマン 1984』(2020)でバーバラ・ミネルバ(チーター)役を演じていたクリステン・ウィグが猫繋がりで出演しているのかは不明だが、おもちゃ遊びを卒業してしまった象徴的な大人ヴェラを演じているものの、悪役というわけではなく、ただ遊び方をこじらせて、猫系のものをコレクションしまくるウーマン??として。
そもそも大人が遊んでいけないって理由なんてないわけで、世間の目を気にしたり、自己規制で辞めてしまうけど、別に遊びたければ遊べばいいじゃん!!という着地点は良いのだが、これが今後覆る展開になると話は変わってくる。
「子どもがドールハウス遊びを辞めない」と苦情がきたとしても、「遊べばいいじゅん」スピリットは守り通してほしい。
総合評価:85点


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