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第38回東京国際映画祭作品レビュー:27:『兄を持ち運べるサイズに』

第38回東京国際映画祭作品レビュー:27:『兄を持ち運べるサイズに』

作品情報

監督/脚本:中野量太

原作:村井理子

音楽:世武裕子

撮影監督:岩永 洋

照明:谷本幸治

録音:猪股正幸

美術:大原清孝

出演 : 柴咲コウ

オダギリジョー

満島ひかり

青山姫乃

味元耀大

斉藤陽一郎

不破万作

吹越 満

  • 127分
  • カラー
  • 日本語
  • 2025年
  • 日本/フランス/中国
  • カルチュア・パブリッシャーズ

© 2025「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会

【ストーリー】

中野量太監督が脚本・監督を務めた最新作は、作家・村井理子氏が実際に体験した数日間をまとめたノンフィクションエッセイ「兄の終い」をもとに映画化した『兄を持ち運べるサイズに』。絶縁状態にあった実の兄の突然の訃報から始まる家族のてんてこまいな4日間。

大人になると、兄弟姉妹の付き合いは薄れてしまうのはよくあること。そのまま亡くなってしまったとしたら、知らない人とまでは言わないまでも、ちょっと遠くにいる人のような感覚になってしまい、悲しみよりも戸惑いが勝つこともある。

思い出せるのは、若い頃の記憶や印象深い会話など、断片的なものをつなぎ合わせたものであって、その時点での人物像でしかない。実際に亡くなったときの人格はどうだったのかはわからなくなってしまう。

つまり、家族であっても、そのなかにある人物像は、時とタイミングによって、若干違っていたりもするのだ。

知ってるようで知らなかった兄。知っていないようで知っていた兄。あるいは何もしらない部分のあった兄。どれも本当かもしれないし、どれも違うかもしれない。人の他人に対する記憶なんてそんなもので、立場によっても変わってくる。

今作はノンフィクションエッセイが原案になっているものの、これは作家の限定的な体験というよりは、誰もに共通するテーマともいえるだろう。

死によって、離れ離れになっていた家族を再生させるというのは、人間の最後の最後の使命なのだと、つくづく思わせてくれる。そんな作品だ。

総合評価:80点

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