作品情報
【ストーリー】
あやかしと人間が共存する世界。優れた容姿と能力で人々を魅了するあやかしたちは、時に人間の中から花嫁を選ぶ。あやかしにとって花嫁の存在は唯一無二。一度見初めたら、生涯その花嫁だけに愛を捧げる。特にあやかしの中でも最も強く美しい “鬼”の花嫁に選ばれることは、最高の名誉と言えた。妖狐の花嫁である妹と比較され、家族から愛されず虐げられてきた柚子が出会ったのは、あやかしの頂点に立つ“鬼”だった。「見つけた、俺の花嫁――」鬼の一族の次期当主・玲夜に花嫁として見出された柚子。突然の事態に戸惑いながらも、徐々に玲夜の不器用だけど優しいところや誠実な姿に惹かれていき、玲夜もまた、生まれながらに一族の行末を背負い、一人抱えてきた重責と孤独が柚子によって癒されていく。互いに居場所を見つけ、愛を確信していく2人。しかし、次第に柚子は玲夜の花嫁として自分がふさわしいのか、そして玲夜は柚子が急激にあやかしの世界に巻き込まれてしまうことが本当に幸せなのか、不安を覚える。果たして運命に導かれた2人は、真実の愛を掴むことができるのか―。
【クレジット】
原 作:クレハ『鬼の花嫁』(スターツ出版文庫)
※コミカライズ:作画・富樫じゅん/原作・クレハ(スターツ出版「noicomi」)
出 演:永瀬 廉、吉川 愛 *W主演
伊藤健太郎、片岡 凜、兵頭功海、 白本彩奈、田辺桃子、谷原七音、尾美としのり、眞島秀和、陽月華、橋本淳、嶋田久作、尾野真千子ほか
監 督:池田千尋
脚 本:濱田真和
音 楽:小山絵里奈
主題歌:「Waltz for Lily」King & Prince(ユニバーサル ミュージック)
イメージソング:「Ray」由薫(ユニバーサル ミュージック)
製 作:「鬼の花嫁」製作委員会
配 給:松竹株式会社
公 開:3月27日(金)
©2026「鬼の花嫁」製作委員会
公式HP:https://movies.shochiku.co.jp/onihana/

突然出会った王子様と恋に落ちて、幸せな結婚をする~という、ド直球のシンデレラ・ストーリーは、時代錯誤という印象が強く、今では皮肉的に描かれることが多くなってしまい、ディズニーなんかは、それが原因で空回りしていたりもするが……。
今作は、そんな風潮を逆手にとったかのような、ド直球なシンデレラ・ストーリーとなっている。
ただし、それは悪い意味ではない。
吉川愛演じる柚子は、周りや両親からも存在を否定され続け、完全に居場所を失っていることから、極端な出会いによって、恋に落ちる動機がしっかりとしているからだ。
自分の存在を認めてくれる相手への想いが、恋なのか、それとも今まで味わったことのない感情に酔いたいだけなのかに葛藤しつつも、ひとりの人間として尊重してくれる、永瀬廉演じる玲夜に心惹かれていく。
柚子が、あまりにも虐げられ続けているキャラクターだからこそ、純粋に幸せになってほしいと思わせる構造に説得力があった。
とはいえ、完璧な作品かというと微妙なところで、いろいろ穴も多い。
『九龍ジェネリックロマンス』(2025)の池田千尋らしいというか、物語の構成が甘く、その後のことを考えずに放り出していることがいくつかあるような気がしてならい。
続編ありきで制作されていないから、それでもいい部分はあるにしても、もうちょっとやり方はあるのではないだろうか。
全体的に悪い作品ではないが、記憶に残る作品とは言いづらいものだった。

総合評価:78点


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