作品情報
恐怖の村シリーズ第3弾、禁断の映画化!九州を舞台にした『犬鳴村』(2020)、富士の『樹海村』(2021)に続き、今回新たな恐怖が生まれるのは、北陸最恐の心霊スポット。 【坪野鉱泉】など北陸地方出身者なら誰しもが知るスポットを舞台に、この世で最も怖い都市伝説と言われる“ウシノクビ”などの都市伝説を織り込み、ホラー界の巨匠にして、これまでの村シリーズ全作を手掛ける清水崇監督が極限の恐怖で観客を追い詰める! 主演は、本作で映画初出演・初主演のKōki, 。不可解な出来事に巻き込まれる女子高生姉妹の一人二役を熱演する。さらに恐怖に対峙するのは萩原利久、高橋文哉ら若手実力派俳優たち。 世界中に恐怖の連鎖を生み続ける「村」シリーズ最新章が、今、幕を上げる…。
『牛首村』レビュー
「村」ユニバース第3弾!
先日、次回作のプロットが一般公募されており、「村」縛りではなくて良いということから、 清水崇の東映ホラーシリーズとしては、続くことは確定ではあるが、「村」ユニバースは今回が最終作の可能性は高い。
ユニバースといっても、前作の『樹海村』のように『犬鳴村』と繋がっているわけではない。毎度お馴染み、大谷凜香が演じるアキナは登場するが、このキャラクターは別人設定。
『樹海村』での『犬鳴村』ネタが強引すぎたこともあって、今回もどこでネタが入ってくるのかと気がかりではなかった。松尾諭が携帯を持って何かに怯えるシーンがあるため、「また犬鳴村か?!」と思わされたが、フェイントだった。さすがに前回で反省したのか、そういった無理矢理なネタはなくて、意外なことに上手くまとまっていた。
心霊どころではない、原理が全く分からないトランス&ワープ演出などは、今作も健在ではあるものの、ネタ自体が前2作のように、浮世離れしたものではなく、今回は、そこらの田舎の村に伝わる言い伝えとしてでも、普通にありそうな、双子に対する保守的な考え方を用いて、田舎の不気味さというのを上手く演出できていた。
何より今作で良かった点は、今作が女優デビュー作となるKōki,である。
木村拓哉と工藤静香の娘ということもあって、2世タレントとして、世間からの目は冷ややかというレッテルなど、跳ね除けるぐらいの名演技を披露している。
小さい頃からモデルの仕事や、近年もCM出演をしていたこともあって、初めてとは思えない堂々とした演技。しかもいきなり一人二役を演じているのも驚きだ。
作品自体は、今までと比べて上手くまとまっているというレベルで、決して傑作と言うにはほど遠い作品ではあるが、Kōki,の存在によって、全体的には、良く感じられるだけに、清水崇と映画を企画した関係者は、Kōki,に感謝すべきだ。
点数 74
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