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この映画語らせて!ズバッと評論!!『スパイダーマン スパイダーバース』

作品情報

時空が歪められたことにより、異なる次元で活躍するスパイダーマンたちが集められた世界を舞台に、主人公の少年マイルスがスパイダーマンとして成長していく姿を描いた長編アニメーション映画。ニューヨーク・ブルックリンの名門私立校に通う中学生のマイルス・モラレス。実は彼はスパイダーマンでもあるのだが、まだその力をうまくコントロールできずにいた。そんな中、何者かによって時空が歪めらる事態が発生。それにより、全く異なる次元で活躍するさまざまなスパイダーマンたちがマイルスの世界に集まる。そこで長年スパイダーマンとして活躍するピーター・パーカーと出会ったマイルスは、ピーターの指導の下で一人前のスパイダーマンになるための特訓を開始する。ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマンの3人が監督を務め、『LEGO(R) ムービー』のフィル・ロード&クリストファー・ミラーが製作を担当。第91回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞。

『スパイダーマン スパイダーバース』レビュー

まさかのイベントコミックを映画化!

平行世界に住むスパイダーマン又はスパイダーウーマンが次元の壁を突破して現れる奇想天外なイベントコミックで2014年に出版された「エイジ・オブ・スパイダーバース」を下敷きにアニメーションとして映画化。

今回の映画で主人公のマイルス・モラレスは、2011年にコミックシリーズ「アルティメット・スパイダーマン」においてピーター・パーカーが亡くなったことで、その後アルティメットシリーズのスパイダーマンとして活躍し、今ではすっかり定着しているが、初登場の頃は黒人のスパイダーマンが登場すると世間を騒がせた。

スパイダーマン自体、多数のシリーズが存在していて、その度に新たなスパイダーマン達が生みだされており、ゲームなどでも多次元のキャラクターが登場することも少なくはない。

キャラクターの少なさには意味がある

映画という限れた時間とフィールドでのストーリー構成というハードルがあったせいか、登場キャラクターは原作よりも格段に少なく、ピーター・パーカーを除くと活躍するのは5人しか登場しない。

原作では東映版スパイダーマンとレオパルドンやコミックボンボンで連載されていたスパイダーマンJまでもが登場するだけに、物足りない感があるものの、キャラクターを少数にしたおかげでストーリーにまとまりがあるのは成功と言えるだろう。

スパイダーグウェン単独作品や続編の企画も浮上しており、多次元のスパイダーマンが存在するという設定の説明には十分な作品となった。

アニメだからできた、アメリカン・コミックのコマ割りのような手法を存分に生かしていて、平凡なCGアニメではなく、個性も出せていて映像表現という面でも楽しむことができた。

スパイダーマン2099が続編の鍵?!

多次元のスパイダーマンと聞いて、まず思い浮かぶのは「スパイダーマン2099」

ゲームにも度々登場していて、多次元のスパイダーマンでは一番メジャーなキャラクターのはず。

何故今回省かれたのだろうか...それはエンドロール後の映像で明らかになる!!

そのまま繋がるとしたら、続編では「スパイダーマン2099」が大きな鍵となるだろう。

ソニーのスパイダーマンワールド拡大戦略映画

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に貸し出し中の実写版スパイダーマンを使用できないということで、スパイダーマンが登場しない、スパイダーマン・ワールドのスピンオフである『ヴェノム』や『モービウス』などを製作しているが、突破口として思いついたのがアニメだったということではないだろうか。

アニメの中でスパイダーマンの世界観を広げることで、のちに続編やスピンオフを作りやすくしているのではないだろうか。

極端なことを言えばスパイダーマンの実写は作れなくてもスパイダーマンではない、スパイダーグウェンの実写は製作できるのだ。しかし、いきなりスパイダーグウェンと言われても???になってしまうから世界観を広げるためにアニメーションという武器を出してきたのではないだろうか。

この映画の登場で格段に世界観が広がったソニー・ピクチャーズサイドのスパイダーマン・ワールド!今後の展開に期待したい!!

点数 77点

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