作品情報
「スーパーマン」や「バットマン」と同じDCコミックスのヒーロー「シャザム」を映画化。見た目は大人だが中身は子どもという異色のヒーローの活躍を、独特のユーモアを交えて描く。ある日、謎の魔術師からスーパーパワーを与えられた少年ビリーは、「S=ソロモンの知力」「H=ヘラクラスの強さ」「A=アトラスのスタミナ」「Z=ゼウスのパワー」「A=アキレスの勇気」「M=マーキューリーの飛行力」という6つの力をあわせもつヒーロー「シャザム(SHAZAM)」に変身できるようになる。筋骨隆々で稲妻を発することができるが、外見は中年のシャザムに変身したビリーは、悪友のフレディと一緒にスーパーマン顔負けの力をあちこちで試してまわり、稲妻パワーをスマホの充電に使ってみるなど悪ノリ全開で遊んでいた。しかし、そんなビリーの前に、魔法の力を狙う科学者Dr.シヴァナが現れ、フレディがさらわれてしまう。遊んでいる場合ではないと気付いたビリーは、ヒーローらしく戦うことを決意するが……。シャザム役はTVシリーズ『CHUCK チャック』のザカリー・リーバイ、シャザムに変身するビリー役にはディズニー・チャンネルドラマ『アンディ・マック』のアッシャー・エンジェル、その他には『キングスマン』『女神の見えざる手』のマーク・ストロング、『コンスタンティン』『キャプテン・マーベル』のジャイモン・フンスー、『 アナベル 死霊人形の誕生 』のグレイス・フルトンなど、監督は『アナベル 死霊人形の誕生』『ライト/オフ』のデビッド・F・サンドバーグ。
『シャザム!』レビュー
DC映画のトレンド?またもホラー映画の監督が作り出した傑作
『アクアマン』で『死霊館』『ソウ』の監督であるジェームズ・ワンを起用し、結果的に成功となったDCだが、実はこの『シャザム!』の監督であるデビッド・F・サンドバーグは『ライト/オフ』『アナベル 死霊人形の誕生』も監督しており、もっぱらのホラー映画監督。
ちなみに冒頭のシーンではアナベル人形が登場するなどお遊び演出もあったり、監督自身も後半に登場する多数のドアのシーンで登場するワニ男を演じている。
原作のコミカルな部分を強調させたテイストで挑んだ作品で、今までのDCエクステンデッド・ユニバースの中でも異質な存在となるが、世界観は一応共有されており、スーパーマンやバットマンが存在していることになっている。
そのため主人公でシャザムに変身するビリー・バットソンの親友フレディも架空のヒーローオタクではなく、存在しているヒーローのオタクとして描かれているため、まだ力の使い方も能力も分かっていないビリーに対しても映画を観ている側に対しても、ナビゲート役としての役割を果たしている。
中身はコドモという設定を存分に発揮!!
シャザムの正体は14歳ということもあり、考えることは、やっぱり子供らしい。世界の平和よりも日常や友達が大切だし、人助けをする理由も目立ちたいとか不順な目的によるものが多い...ATMを壊してお金を奪うという、あきらかに犯罪的行為もやってしまっているワケではあるが、子供が突然、力を手にしたら何に使うか...という子供らしい視点から見るヒーローが存在する世界像というものも反映されている。
それこそがこの作品の一番いいところであり、今後のジャスティス・リーグ路線とは差別化ができ、ある種の言い訳にもできる設定でもある。
原作でもシャザムはジャスティス・リーグに参加するエピソードもあるものの、レギュラーとしてではないという他のDC作品とは独特の距離を保っており、映画でもその距離感は保たれている。
サプライズが多く、原作ファンも納得?!
噂されていたスーパーマンの登場はある意味では実現しているものの、みんなが望んだ結果ではなかったが、予告などではシークレットにされていたシャザム・ファミリーの登場や隠れヴィランのマスター・マインドなどネタが散りばめられていて、単純にドクター・シヴァナとの一騎打ちではない。
ちなみに隠れヴィランだが、かなり前半のシーンから意味ありげに登場する芋虫。これは原作ではミスター・マインドというヴィランなのだ。
シャザムにおいて一番のメイン・ヴィランでもあるブラックアダムを主人公としたスピンオフや続編企画がすでに進行中。マスター・マインドがシャザムとブラックアダムが出会うきっかけになるのか、全く別のかたちで登場するのかは現在のところ全く不明な状態だが、確実に言えることはジャスティス・リーグ路線に参加するとしてもかなり先の話になりそうだということ。
この人、似てませんか??
親友のフレディ役ジャック・ディラン・グレイザー がどうしても『おっさんずラブ』の林遣都に見えてしまう。
顔もそうなんだけど、表情がそっくりで変身後の姿はアダム・ブロディじゃなくて 林遣都 でもよかったのではないだろうか。
点数 77点
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