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この映画語らせて!ズバッと評論!!『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』人と人との繋がりを描く作家性は映画となっても健在

この映画語らせて!ズバッと評論!!『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』人と人との繋がりを描く作家性は映画となっても健在

作品情報

大ヒットテレビシリーズ『THIS IS US 36歳、これから』の企画・脚本・製作総指揮を担当したダン・フォーゲルマンが監督・脚本を手がけ、ボブ・ディランの数々の名曲に乗せて描くヒューマンドラマ。「スター・ウォーズ」シリーズのオスカー・アイザック、『her 世界でひとつの彼女』『リチャード・ジュエル』のオリビア・ワイルド、『マスク・オブ・ゾロ』のアントニオ・バンデラス、『20センチュリー・ウーマン』のアネット・ベニングが共演し、ある1つの事故をきっかけに数奇な運命に翻弄されていく2つの家族を描く。現代のニューヨーク。大恋愛の末に結ばれたウィルとアビーは、第一子の誕生を目前に控え幸福の絶頂にいた。そんなある日、彼らは想像を絶する事故に遭遇する。ニューヨークを旅行中にその悲惨な事故の顛末に深く関わってしまった幼い少年は、海を越えたスペインの大地で、両親と父の雇い主であるオリーブ園のオーナーをドラマティックな人生へと導いていく。

『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語 』レビュー

ドラマシリーズ 『THIS IS US 36歳、これから』の製作者ダン・フォーゲルマンが手掛けた映画ではある。

『THIS IS US 36歳、これから』というドラマは、家族の絆や人と人との繋がりを描いたドラマシリーズであって、今作も世代、世代の時間軸で丁寧に描かれる人と人との繋がりという点で言えば似た作品というか、大まかには同じである。

親から子、そしてまたその子というように、繋がっていく人間のサイクルをドラマチックに描いているのだが、悲劇から繋がる絆もあるわけで、今の生きている人たちにとっては、共感しないではいられない部分が少なからずあるという構造になっている。

今までドラマシリーズという長いスパンで丁寧に描いていた人間ドラマ、3世代の物語を1本の映画にしたという部分で言えば、一定のリズムで描かれるため、「ここをもっと描いてほしい」というようなキャラクターの精神面を描く繊細な場面も時間の尺の都合で、通常のドラマパートと同じ、一定のリズムで描かれてしまっているため、ひとりひとりのキャラクターの深みの差が生じてしまっている。

例えばアントニオ・バンデラスが演じるヴィンセントの内面は、もっと描くべきであったと思うし、ヴィンセントは描かれていない部分にこそ、本質があるように見えてしまうのが残念である。

逆に作品の機械的なバランスが良すぎるために、全体的にダイジェストのようにも感じられてしまうのだが、ダン・フォーゲルマンのテイストを味わったり、今まで彼の作品を観たことがない人には、良い入門映画かもしれない。

ダン・フォーゲルマンは、もともとディズニー作品である『ボルト』『カーズ』『塔の上のラプンツェル』などの脚本を手掛けていたこともあって、伝えたいメッセージ性というのが直球に描かれる作品が多いため、説教臭い部分はあるのだが、それもひとつのテイストとして考えれば楽しめる作品ではある。

点数 77点

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