THE映画紹介とは?
THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』
作品情報
シリーズ累計発行部数1億部を超える荒木飛呂彦の大ヒットコミック「ジョジョの奇妙な冒険」初の実写映画化作。東宝とワーナー・ブラザース映画が初タッグを組み、原作の第4部「ダイヤモンドは砕けない」を、三池崇史監督×山崎賢人主演でスクリーンに描き出す。共演には神木隆之介、小松菜奈、山田孝之、伊勢谷友介ら豪華キャストが集う。美しい海辺の町・杜王町(もりおうちょう)に暮らし、見た目こそ不良だが心根は優しい高校生の東方仗助は、「スタンド」と呼ばれる特殊能力の持ち主。仗助のスタンドは、触れるだけで他人のケガや壊れたものを直すことができるというものだった。一見すると平和に見える杜王町では、このところ不審な変死事件が続発しており、一連の事件が自分とは別のスタンドを使う者たちによる犯行だと知った仗助は、町を守るために立ち上がる。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 』基本情報
2017年製作/118分/G/日本
監督:三池崇史
出演 : 山崎賢人、神木隆之介、小松菜奈ほか
短評
漫画だからこそできる独特の世界観が、実写化に適した作品ではないということで製作が決定した時から騒がれていた人気漫画原作の問題作。
しかも監督は駄作の大量生産監督こと三池崇史と不安要素が絶えない。
もともとは、ジャニーズが主演だった企画がボツになったことでアイドル映画にだけはなっていないことが唯一の救いだろう。
そんな不安ばかりの映画で観客のハードルが下がりきったせいなのか…意外なことに良くできている。なかなか上手くまとまった、1本の映画としてちゃんと成立している。
原作の設定は日本でありながら日本らしからぬ街並みということで今回、スペインでロケをしてスペインの街並みと日本語のミスマッチな世界観を作りだしたことで原作に近いイメージを作りだすことに成功していて、俳優もなかなかのナイスキャスティングで見事に演じきっている。
セリフも原作通りのセリフをそのまま使ったり、構図も漫画やアニメとそのままなど、ちゃんとしすぎなぐらいちゃんと丁寧に映像化している。
原作の核となる部分は丁寧に描きながら、一方では2時間ほどでまとめられる内容ではないから、登場キャラクターや今後の展開を匂わす部分は手を加えられていて、本来ならまだほとんど登場しない由花子がすでに登場してきている部分や小林玉美との対決時に孵化するはずの康一のスタンド”エコーズACT1”が原作より早く卵から孵る部分、レッド・ホト・チリ・ペッパーが初登場するシーンがいきなりハートクイーンの爆弾シアー・ハート・アタックが登場することで吉良吉影の存在が確定する作リになっている部分、仗助の祖父のエピソードが濃く描かれているなど映画的に上手くアレンジされている部分も多い。
原作の通り人間をスタンド使いに変えてしまう弓と矢が登場し、原作の通り虹村兄弟の変わり果てた父親も登場するものの、さすがに尺的にディオのことまで語ると世界が広がりすぎてしまう部分もあり、どうしてその姿に変わってしまったかという原作でのディオの細胞の件が省かれているため、何故そうなったかがあやふやな状態にされてしまっているのは残念...
一応、第一章としてあるから製作する予定で作っているわけだが、興行的に失敗しているため、リブートはあったとしても、今作の第二章の製作は絶望的だ...原作の5話分ぐらいのボリュームしかないかこれで終わりとなるとなんだかあっけない感じがするから、せめて三章ぐらいまでは製作したかった。
原作ファンもそうでない人も普通に楽しめる内容で、とりあえず出だしのとしては成功している作品と言っていいと思う。
言いたくないが、今回の監督に三池崇史を起用したのは正解かもしない。
今回変にいじくって原作を潰してしていないのは、三池崇史という人間がおそらく原作にあまり知識がないということが上手く作用していて、原作を丁寧になぞった作りにせざる負えないという部分があったからこそ、逆によかったのかもしれない。だからセリフや構図もそのまま使っているのだと感じた。
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