ついに公開されたMCU版「スパイダーマン」第4弾となる『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』
公開3日前の28日にソニー・ピクチャーズにて最速試写で観させてもらい、31日に劇場で吹替え版を観てきた。
ネタバレなしのレビューはNiEWのミニコラムに書いているが、今回はネタバレ全開の謎要素考察となっているため、まだ観ていない方はご注意を~

■スタテン島の一件は、今後コミック化されるかも?
本作の大きな見どころとなるのが、パニッシャーことフランク・キャッスルとの関係性である。劇中では、二人がスタテン島で共闘した過去が何度も示唆されるものの、その詳細はあえて描かれない。この”空白”があるからこそ、現在の二人の信頼関係に説得力が生まれている。
これまでのMCU映画では、プレリュード・コミックで映画では描かれなかった出来事が補完されてきた。たとえば、ソーやウォーマシーンの動向がコミックで描かれたほか、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)では公開前後に前日譚コミック『Fantastic Four: First Foes』が刊行され、さらにシャラ・バルがシルバーサーファーとなるまでの経緯を描いたコミックも発売された。
こうした前例を踏まえると、本作でもピーターとフランクが過ごした4年間や、冒頭で言及される数々の事件が、コミックなど別媒体で補完される可能性は十分考えられる。

■ジーン・グレイの登場は、ミュータントは特別ではないという暗示
『ミズ・マーベル』では、カマラ・カーンがインヒューマンズではなくミュータントという設定へ変更された。一方でMCUでは、「ミュータント」という言葉自体はほとんど使われておらず、特殊な存在というより、人知れず社会に存在しているという世界観が描かれている。
また、スカーレット・ウィッチやクイックシルバーも、これまで「強化人間」として扱われてきた。
さらに、本作冒頭でスパイダーマンが装甲車を止めようとしてバスに衝突する場面では、窓際にローグらしき人物が映っているようにも見える。単なる偶然やイースターエッグの可能性もあるが、ミュータントがすでに一般社会に溶け込んでいることを示す演出だったとも考えられる。
だからこそ、本作のようなストリートレベルの物語にあえてジーン・グレイを登場させることで、「ミュータントは特別な存在ではない」という世界観を自然に提示したかったのかもしれない。
■ウィリアム・メッツガーの正体
本作に登場するダメージ・コントロール局長ウィリアム・メッツガーは、原作では反ミュータント思想を持つ人物として知られている。しかし、MCU版では、その思想以上に、どちらかといえば『X-MEN』シリーズに登場するウィリアム・ストライカーを思わせる立ち位置として描かれているように感じた。
ラストで彼の行方が不明になったことを踏まえると、今後のMCU版『X-MEN』において重要な役割を担う可能性も十分ありそうだ。
一方で、ダメージ・コントロール局そのものは局長個人の方針に左右されていた側面も大きく、今後は組織として中立的な立場に戻る可能性もある。『ワンダーマン』に登場したP・クリアリーのように、ヒーロー側と協力関係を築く展開も考えられる。

■MJの記憶は戻っている?
MJがピーターの手紙を読んだことは、大きな前進だった。しかし、その時点で完全に記憶が戻ったわけではなく、あくまで強い動揺を見せるにとどまっていた。
その後、ジーン・グレイの暴走した能力によって、ドクター・ストレンジの魔術が完全ではないにせよ弱まった可能性がある。
そこで注目したいのが、MJが涙を流す場面だ。彼女は恐怖で泣いたのではなく、ジーンの精神波を受けたことで失われた記憶がよみがえり、その結果として涙を流したのではないだろうか。
さらに、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でピーターから贈られたブラック・ダリアのネックレスに触れ、かすかに微笑む描写も印象的だ。
また、ネッドも親友同士だけが知る合図をきっかけにピーターを思い出したような反応を見せていた。完全な記憶の回復には至っていなくても、強い精神的な刺激を受けることで記憶が戻る可能性は十分残されているのかもしれない。
■スパイダーマンは宇宙にいる?
ポストクレジットでは、スパイダーマンが宇宙にいるような映像が映し出される。この演出には、いくつかの可能性が考えられる。
最も有力なのは、『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』あるいは『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』への伏線だろう。特に原作『シークレット・ウォーズ』(1980年代版)では、スパイダーマンが異星で黒いコスチュームを手に入れ、それが後にヴェノム誕生へとつながっていく。
一方で、すでにヴェノムそのものがMCU世界へ侵入している可能性も考えられる。
さらに、『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』でMCU版スパイダーマンの世界と接続される展開も十分あり得るだろう。
現時点では、宇宙の描写はマルチバースを含めて複数の解釈が可能であり、どれが正解なのかを断定することはできない。しかし、それこそが今後のMCUへの期待を膨らませる演出だったと言える。



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