作品情報
【ストーリー】
この夏・・・かつてないハチャメチャと大事件とともにミニオンズが帰ってくる!最強最悪のボスを求めて旅するミニオンズがたどり着いたのは夢あふれるハリウッドの世界。ひょんなことから自分たちでモンスター映画を作ろうと本物のモンスターを召喚するが…超危険なヤツらが次々と解き放たれ、街は大パニックに!さらに仲間割れまで勃発し、ミニオンズ史上最大のピンチが訪れる。大切な仲間と力を合わせれば…きっと世界を救える…ハズ!?
【 クレジット 】
日本語吹替版キャスト:松平健、千葉雄大、鈴木愛理、山寺宏一、エース&寺家(バッテリィズ)、LiSA、銀河万丈、寺依沙織、小野友樹、芹澤優ほか
脚本:ブライアン・リンチ、ピエール・コフィン/監督:ピエール・コフィン
製作: クリス・メレダンドリ、ビル・ライアン/製作総指揮: ビル・ライアン
原題:『Minions & Monsters』 (US公開2026年7月1日予定)
公式サイト:https://minions.jp/
8月7日(金)から全国公開!

『怪盗グルー』シリーズと並行して展開されてきた、グルーと出会う以前のミニオンたちを主人公とするスピンオフ『ミニオンズ』シリーズ。気がつけば、こちらが実質的なメインシリーズのような存在感を放つまでになった。何しろミニオンは太古の昔から存在する設定だけに、時代を自由に行き来でき、物語はいくらでも広げられる。
今作の舞台は、前作『ミニオンズ フィーバー』の1970年代からさらに時代をさかのぼり、1920~30年代の映画産業。サイレント映画からトーキー映画へと移り変わる、ハリウッド史における大きな転換期である。
ビッグボスを求めて放浪を続けたミニオンたちは、やがてハリウッドへたどり着き、サイレント映画のスターとして人気を博す。しかし、時代がトーキーへ移行すると、まともにセリフを話せない彼らは居場所を失ってしまう。この展開は、トーキー化によって活躍の場を失ったサイレント映画スターたちを思わせるだけでなく、当時のハリウッドを支えていたユダヤ系映画人の歴史まで連想させる。
ユニバーサルの創業者カール・レムリもドイツ系ユダヤ人であり、『ノートルダムの傴僂男』(1923)や『オペラの怪人』(1925)といったサイレント映画を世に送り出した人物だった。その後、ユニバーサルはモンスター映画によって再び黄金期を築くことになるが、そうした映画史を踏まえると、今作のミニオンたちは、ハリウッド草創期の移民やユダヤ系映画人をどこか投影しているようにも見えてくる。
一方で、インターネット上では以前から「ミニオンはナチスの人体実験を受けたユダヤ人の子どもがモデルではないか」という、都市伝説が語られてきた。もちろん制作陣がそうした設定を意図している証拠はなく、偶然の一致なのかもしれない。しかし、映画史を強く意識した今回の内容を見ると、その都市伝説を逆手に取ったメタ的なネタとして受け止める観客が現れても不思議ではない。もしそこまで計算されているのだとすれば、『ミニオンズ』シリーズ……侮れないっ!!
もちろん、本作の魅力はそうした深読みだけではない。映画ネタが随所に散りばめられ、ジョージ・ルーカス本人が登場するサービス精神も楽しい。アドベンチャーコメディとしてテンポ良くまとまっており、脚本の完成度も高い。だからこそ、この制作陣なら、こうした映画史の皮肉的な裏ネタを密かに忍ばせていても不思議ではないと思ったのだ。

総合評価:83点


コメントを書く