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この映画語らせて!ズバッと評論!!【第37回東京国際映画祭SP】『マイデゴル』イランに暮らすZ世代のムエタイ選手に密着したセルフドキュメンタリー!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!【第37回東京国際映画祭SP】『マイデゴル』イランに暮らすZ世代のムエタイ選手に密着したセルフドキュメンタリー!!

作品情報

イランに暮らすアフガニスタン人の10代の女性がプロのムエタイ選手になる夢を追い求め、保守的な家族や周囲からの敵視に反旗を翻す。アルバイトでこっそり資金を稼ぎながら、肉体的にも社会的にも挑む若い女性を描いた本作は、あらゆる困難を乗り越えて自由のために戦い、自らの権利を主張するZ世代のしなやかな強さを映し出す。

『 マイデゴル 』レビュー

イランに暮らす、プロのムエタイ選手を目指すZ世代の女性を追ったドキュメンタリー作品だが、一部自身で再現しているセルフドキュメンタリー的なタッチでもある。

保守的な概念やしがらみなどに立ち向かっていくという点では、第36回で上映された『タタミ』(2023)もイランの女子柔道選手とコーチの視点を通して描いている点で共通したテーマだ。

さらに、暴力をふるう父親、それに耐えられなくなり育児放棄して家出してしまった母親の代わりに、幼い弟のめんどうをみなくてはならなくなるなど、過酷な家庭環境も彼女の足を引っ張ってくる。

製作国は様々ではあるが、こういったイラン女性を主人公とした作品は年々増え続けている。そんな動きから、映画が社会を動かすものとして機能していることが強く伝わってくる。

ドキュメンタリー作家であると同時に絵画のアーティストとしても知られているサルヴェナズ・アラムベイギだけのことはあり、着眼点が毎回奇抜。

ドキュメンタリーでありながらも、アートのような構図を感じさせるのは、サルヴェナズ作品ならでは。

『Tomorrowland』(2017)のような壮大な宇宙をテーマとした作品もあるが、今作は割とストレートなテーマで、自らの権利を主張するZ世代の強さを映し出していた。

ちなみにタイトルは”散った花”という意味だ。

点数 80

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