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この映画語らせて!ズバッと評論!!『Never Goin’ Back ネバー・ゴーイン・バック』大人になったら思い出したくはないけど、青春時代の大切な思い出。

この映画語らせて!ズバッと評論!!『Never Goin’ Back ネバー・ゴーイン・バック』大人になったら思い出したくはないけど、青春時代の大切な思い出。

作品情報

テキサスの夏。親友であるアンジェラとジェシーは、高校を中退し、ダイナーでウェイトレスのバイトをしながらワンルームに同居していた。ある日、アンジェラがジェシーの誕生日を記念し、憧れのリゾートビーチへのバケーションをプレゼントしたことから物語がはじまる。旅行費用の支払いでなくなった家賃を稼ぐため、2人はアルバイトを増やしていく。その矢先、自宅に突然強盗が入る騒ぎでやってきた警察が、部屋にあるドラッグを発見し、2人は逮捕されてしまう。アンジェラとジェシーは、はたして憧れのリゾートビーチへ行けるのか。カオスな数日間が幕をあける。

『Never Goin’ Back ネバー・ゴーイン・バック』レビュー

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主演がディズニー・チャンネルの「ティーン・ビーチ・ムービー」シリーズのマイア・ミッチェルというのは、『スプリング・ブレイカーズ』に通じる皮肉を感じずにはいられないが、ディズニー・チャンネルのスターがこういう役をやると様になるのは何故だろうか……。

『クリシャ』『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』など、女優としても活躍し、今作では監督を務めるオーガスティン・フリッツェルの半自伝的物語となっていて、青春時代にやったバカなことの一部分をただ見せられる、いわゆる「黒歴史」を思い出させるような物語だ。

思い出そうとしても、思い出せないかもしれないし、思い出したくもないのかもしれない。そんな過去って誰にでもあるわけで、特にティーンの頃はやらかしがち。

そして大人になって、最高なことも、最悪なことも記憶の片隅に微かに残るが、確かに何かはあったはず。そんな記憶を探求していくような物語にもなっていて、ティーン時代を思い返した歌の歌詞を見ているような感覚にもなる。

その物語が監督が実際に体験したリアルなのかフェイクなのかは別の話で、過去のあやふやな記憶へのトリップこそが今作の本質であるように感じられる。

とは言っても、単純におバカなガールズムービーとしての側面もあるだけに、多様な楽しみ方のできる作品であるといえるだろう。

今作は2018年の作品であり、 オーガスティン・フリッツェルの長編監督デビュー作であるが、すでに2作目となる『愛しい人から最後の手紙』が日本ではNetflixで配信されている。

この作品が秘めた想いを自由に伝えることができなかった時代と現代の違いを対比として見せた純文学のような作品になっていることから、そのギャップもあって、順番が逆になってしまっているが作家性としてもふり幅の広さを実感させられるデビュー作だといえるだろう。

点数 82

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