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この映画語らせて!ズバッと評論!!第35回東京国際映画祭SP『消えゆく燈火』消えゆく文化、ネオン職人にリスペクトを捧げる!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!第35回東京国際映画祭SP『消えゆく燈火』消えゆく文化、ネオン職人にリスペクトを捧げる!!

作品情報

腕利きのネオンサイン職人だった夫の死後、失意の妻はやがて夫がやり残したネオン製作の夢を継承しようと決意する。サイモン・ヤムとシルヴィア・チャンの名優コンビが夫婦を演じる、注目の香港作品。

『消えゆく燈火』レビュー

レトロブームといって、再度見直されているひとつの文化、ネオンサイン。

日本を舞台にした海外映画にやたらネオンが出てくるのは、中国や香港のイメージとダブっているからだろう。

そんなネオンのイメージの本場?と言っていいのかは不明だが、亡くなってしまったネオンサイン職人の遺したものを受け継ごうとする家族の物語である。

亡くなった夫=中国・台湾・香港におけるネオン職人のメタファーとなっており、その中で失われつつある、大切なひとつの文化の保持と再発展を願った、ネオンサイン・トリビュート&リスペクトな物語となっている。

ネオンサインというのは、近年見直されて、安全性の面から危険視される声も少なくない。ネオンだけに限らず、消えゆく文化というのは、日本にもたくさんあるのだから、決して他人事ではない。

続けたいけど、それを時代が許してくれない文化というのは、どこの国にもあるのだ。

夫が生前にやり残した仕事を完了させようと妻と弟子、そして家族が奮闘するハートフルな物語でもあるが、所々にあるコミカルパートは古典的すぎて、あまり笑えるのではない。そこも香港映画らしいといえば、らしいのだが……。

エンドロールでは、実際に活躍していた、もしくは現役のネオンサイン職人が映し出され。日本の職人の名前すら知らないのに、外国の職人なんて当然ながら知るはずもないが、なんだか残したい文化が消えゆく中で奮闘した人々を称えているようで、希望もあるが、寂しさも同時に感じられる。

点数 78

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