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この映画語らせて!ズバッと評論!!『カラダ探し』きもち変顔?大女優・橋本環奈の本気の日本製ティーンホラー!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『カラダ探し』きもち変顔?大女優・橋本環奈の本気の日本製ティーンホラー!!

作品情報

深夜の学校。“赤い人”は現れる――。 女子高生・明日香の生活はある日学校にいるはずのない幼い少女から「私のカラダ、探して」と不気味な言葉を言われた日から一変してしまう。その日深夜0時を迎えた瞬間、気付くと明日香はクラスメイト5人と共に深夜の学校にいて、突如全身が血で染まった少女”赤い人”が現れ、全員を次々に惨殺していく・・・。そしてその日から、6人は同じ日を繰り返すこととなる。明日を迎える唯一の方法は、校内に隠された、とある少女のバラバラにされた”カラダ”をすべて見つけ出すことだった。このループはカラダを全て見つけるまでは終わらない。

『カラダ探し』レビュー

©2022「カラダ探し」製作委員会

橋本環奈の他にも山本舞香や眞栄田郷敦、神尾楓珠といった、誰が主役といわれてもおかしくない、そんな日本映画・ドラマ界の最前線で活躍する若手俳優が集結。目指したのは、海外ティーンホラーということもあって、若手俳優が多く出演しているという点でも共通性が高い。

また原作自体が、日本のホラーよりも『13日の金曜日』や『エルム街の悪夢』などの海外ジャンルホラーから着想を得ていることもあり、演出の海外色が強いものとなっており、今回の映画版においては、『エクソシスト』や「死霊館」シリーズといった、スーパーナチュラル系もミックスされている。さらに加えてゲーム的な要素も組み込まれていることから、日本映画としては観たことのないジャンルに仕上がっている。

“終わって欲しいけど、終わってほしくない日々”何度も繰り返す苦痛の日々と並行して、共通の問題に立ち向かうことで築かれていく友情関係、そしてそれがかけがえのない日々にもなっていく。「この映画のジャンル何だっけ?」と思ってしまう、そんな新感覚・新体験なホラーでもあるのだ。

橋本環奈といえば「天使すぎるアイドル」として話題となり、『セーラー服と機関銃 -卒業-』(2016)や『ハルチカ』(2017)などの主演に抜擢され、順調にアイドル的女優の道を進んできていたはずだった……。しかし近年はアイドルというより、コメディエンヌという印象の方が勝っている。

その要因としては、やはり『銀魂』(2017)や『斉木楠雄のΨ難』(2017)、『今日から俺は!!劇場版』(2020)といった、福田雄一作品における橋本環奈いじりの影響に他ならない。

毎回、変顔を要求されてもやってのける度胸と精神力の強さ、そして他面へ影響を気にしない姿勢は評価に値する。

それが良いのかはわからないが、その影響は飛び火しており、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(2019)は福田作品ではないものの、福田作品を明らかに意識したものとなっているし、『午前0時、キスしに来てよ』(2019)では「ずんぐりむっくり」と自分の体系をいじった自虐ネタも盛り込むなど、アイドルや若手女優が躊躇するようなこともやってのけるのだから、橋本環奈が映画やドラマにひっぱりだこになるのも納得できる。

意外な感じがするかもしれないが、実は橋本環奈にとって、今作が初のホラー映画。つまりコメディエンヌを封印して挑んでいるのだ。それでもどことなく、おもしろさが隠しきれてない感じがしないでもないが……。

そもそもジャンルホラー自体が、恐怖とおバカの境界線に位置している作品も多いことから、それはそれでジャンルホラー色が増すし、福田作品で鍛えられた「変顔」が、心からの恐怖の叫びを演出しているうえで上手く機能しているのだ。

日本映画界において、ここまで全力で表現してくれる若手女優というのもなかなかおらず、そんな橋本環奈は日本映画界において財産といえる大女優と言っても過言ではない!!

点数 85

©2022「カラダ探し」製作委員会

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